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2008年9月22日 (月)

「金魚の飼い方・ふやし方」 新井邦夫 その2

本文

第1章 魚の生活の知識
 第1節 水温と魚の体温

  • 「こい」、「ふな」は摂氏0度というような、表面に氷の張りつめた池の底でも、又反対に熱帯魚が喜びそうな摂氏30度という高い水温の中でも生活に耐えうるので広適温性魚類という。

    「にじます」、「いわな」等は適水温の範囲が狭いので、狭適温性魚類と呼んでいる。

 第2節 魚の運動

  • 魚の型には、紡錘型(まぐろ)、側扁型(かれい)、縦扁型(えい)、延長型(うなぎ)がある。

    胸鰭は主として上昇に、又腹鰭は沈降に役立っている。背びれの働きについては平衡に関係があるとするものと、体の保護を意味するだけのものであるとする説があるが、臀鰭と共に余り運動には関係ない鰭として扱われる。

 第3節 魚の感覚
  (イ) 聴覚

  • 鯰の聴覚は高音で13.139サイクル、低音は16サイクルまで感じる。人間が聴き取れる低音は40サイクル。普通魚の内耳で聴き分ける音は、高音で200乃至300サイクル以上だが、100サイクル以下は側線によって聴き取る。

  (ロ) 味覚・嗅覚

  • 人間の舌にある味蕾に相当する組織は口唇、頭部、鰭、髭などにも分布しているので、口に入らなくても味わうことが出来る。

  (ハ) 視覚
   魚の眼は近視

 第4節 魚の呼吸

  • 炭酸ガスが沢山水中に蓄積されてくると、たとえ水中に酸素が残っていても、魚は水中に炭酸ガスを吐き出すことが出来なくなって、ついに呼吸困難になる。

    水中の炭酸ガスは塩類(カルシウム、マグネシウム等)と良く化合する性質があるので、魚を飼う水には塩類を多少含んだ水のほうが都合がいいことになる。

 第5節 魚の食性と飼料

  • 胃と腸について説明。
    蛋白質、脂肪、炭水化物、無機物(ミネラル)、ビタミンについて詳細に解説。

 第6節 魚の社会

  • 「こい」、「ふな」は、いずれも食性のよく似た、然も水界の底の方を好む魚であるが、この二種類の魚を実験水槽に飼育した場合底には、いつも「ふな」が棲んで「こい」は上層に追いやられる事が明らかにされている。

 第7節 魚の生殖
 第8節 魚と水生植物との関係
  養魚家が池の中に水藻類が沢山生えることを嫌う理由

  • 1,水藻の繁殖は魚類の運動を妨げる
    2,春秋、池の温度を低下させるため魚類の摂餌を不良にする
    3,池底に根を下ろす水藻類は水中の栄養塩類を肥料として吸収するため動物プランクトンの繁殖を抑制する
    4,水藻類の呼吸作用による炭酸ガス増加の危険が伴う
    5,魚の水揚げに不便である
    6,害虫の産卵場や隠れ場になる

  程良い「青こ」(青水)の繁殖によってもたらされる利点

  • 1,酸素補給源となる
    2,魚類の飼料になる
    3,水温の上昇及びいったん上がった水温の下降防止に役立つ
    4,魚に安定感を与える

 第9節 有害な水棲昆虫
  甲虫類
   イ,げんごろうむし 幼虫は「まごたろうむし」
   ロ,がむし

  半翅類(はんし)
   ハ,みずすまし
   ニ,たいこうち
   ホ,みずかまきり
   ヘ,たがめ 「かっぱむし」、「みずぜみ」とも呼ばれる。
   ト,こおいむし(子負虫)

  甲殻類
   チ,ちょう

  • 養殖池などではB・H・C水和剤で駆除。

   リ,いかりむし

  • 養殖池では塩素酸石灰散布が行われている。

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