「金魚の飼い方 附・熱帯魚」 木村四郎 その4
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第16節 金魚の淘汰と選別
第1回目の選別
孵化後2週間ぐらい、1糎位の時
選別の方法
蛤貝に柄をつけたもので、水と一緒に掬い取る
選別後は1m2あたり60尾内外で飼育
第2回目の選別
第1回目後から2~3週間後、2糎内外の時
ミジンコからイトミミズへ切り替える。頭位の分量が適当
らんちゅうの選別
不合格にすることを「ハネ出す」という。
- 第1回目は孵化後10日乃至2週間目位。ハネ出すものを、尾形、心、背に分け実寸大のイラストで説明。
2ヶ月位からの悪い例を5ページ分のイラストで解説。
色による選別
- 体の白いもの大部分白いものは淘汰する。関東では「シラッコ抜き」という。
商品的名称と品位は
更紗 白と赤の斑 上
多赤更紗 赤が多い斑 上
多白更紗 白の多い更紗 下
腰白 尾の白いもの 下
背赤 背部の赤いもの 上
腹模様 腹部に斑のあるもの 上
六鱗 体が白、各鰭の赤いもの 上
鰭による選別
秋までには3回位は行いたい。
第17節 金魚の害敵とその防ぎ方
以下の害敵とその対策を結構詳細に解説してある。
※すごいのは野鼡(のねずみ)チフス菌をまく方法
獣類
猫、ねずみ、いたち
鳥類
かわせみ(翡翠、しょうびん)、ごいさぎの類、こあじさし
魚類
- うなぎ、なまず、らいぎょ、その他の魚類(餌を食べてしまうハヤ、オイカワ、クチボソ等)
昆虫類 近代戦のように空から爆撃を受けるようなものです。
- げんごろうの類、がむしの類、とんぼの幼虫(やご)、たがめ(カッパ虫)、たいこうち、みずかまきり、こおいむし、まつもむしの類、みずむし(ふうせんむし)
寄生虫
うおじらみ(ちょう)、いかりむし
第18節 金魚の病気と治療
以下の病気について、症状や治療法を解説。
- 白点病、白雲病、鰭腐病、鰓腐病、白黴病、気胞病、その他の病気
第19節 金魚の飼い方いろいろ
観賞用硝子容器での飼育
容器で飼える金魚の数
餌の与え方
換水
容器飼いの金魚を長く飼うには
かめで飼うには
水換え
コンクリートの飼育池で飼う場合
睡蓮池や泉水などでは
第20節 金魚の観賞用器具
- ※目次ではありますが、「第19節 金魚の飼い方いろいろ」と兼ねています。
第21節 金魚の王様「らんちゅう」の一年中の飼い方心得
1,2月
- 砂ほこり、煤煙を取り除くため月に一度位、上水をすくい取る。
餌は暖かい日だけ、嘗める程度与える。
温かい日中だけ防寒用の上覆いを取り除き日光に当てる。
3月
- 少しずつ餌を殖やし、来るべき産卵に備える。
暖かい日を選んで、汲み置きの水に、古い水を3~4割位入れ水換えをする。
冬囲いも、中旬過ぎに取り始める。
4月
- 餌を充分与える。
水換えは古い水を2割程度入れて、3,4回行う。
夕方は簾を全面にかけ、日中は北側半分にし日光をあてる。
5月
- 上旬(八十八夜前後)には一番仔を産卵
気温が上がるので、日中には簾を、上旬は2分、下旬は4分まで覆う。
産卵用親魚の水換えは新しい水で、その他は古い水を少量加える。
6月
- 梅雨期間は水温が下がるので、餌は控えめにする。
水換えも余り行わない。
暑さが酷しいので、覆いは6,7分、夜は取り除いて通風をよくする。
7月
- 餌を充分与え、成長させる。
水換えも4,5日位で行う。
稚魚は色変わりするので、幾分餌を控える。
日覆も当才魚は5,6分、親魚は7,8分かけ、簾と水面をすかせ風通しよくする。
8月
- 7月と同様
蒸すので、通風に注意する。
9月
- 水の温度も、日中と夜間で相当あるので、夜は簾をかける。
当才魚では雄の成長が鈍く、僅かだが追尾も現れるので雌雄の区別が出来る。
水換えは古い水を2、3割加える。
10月
- 日中は出来るだけ日光にあてる。
餌は午後3地以降与えない。
水換えは9月と同じ。
11月
- 日中は十分に日に当てる。
暖かい日には充分餌を与え、冬越しの態勢を整える。
冬囲いを月末までに完成させる。
12月
- 晴天で暖かい日には、ボーフラ、アカコを嘗める程度に与える。
風のない暖かい日には、10時頃から3時頃まで、日光に直射させ暖める。
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