「グッピーへの招待」 和泉克雄 その2
カバー表紙
デルタテール・オブ・フォンテーヌの群泳 カラー写真
カバー裏表紙
パープルリング・オブ・マキファンテール
序文
- 虹か宝石のような美しい色彩のグッピー。・・・・・
これから熱帯魚を志す人、正にグッピーならでは夜も日も明けぬ人には至上最良の指導書であると共に、業界人もグッピーを含めた全観賞魚を再認識する意味で是非、おすすめしたい。・・・・・
1967.6 木村 重
口絵
グッピーの種類 カラー写真
- デルタテール・オブ・フォンテーヌ、パンジー・オブ・フォンテーヌ、フラミンゴ・グッピー、パープルリング・オブ・マキ(最近輸入されたアメリカのファンシー・グッピー)、グリーン・タキシード・グッピー、アルビノ・グッピー、ソードテール・グッピー、ダブルソードテール・グッピー、ポピィ・オブ・フォンテーヌ
白黒写真
- デルタグッピー、旭光学工業社長室の飼育槽、著者のグッピー飼育室、飼育に必要な器具、健康なグッピーのペア、グッピーの稚魚、グッピーと共棲出来る魚(コリドラス達)
本文
第1章 グッピーへの誘い
第1節 はじめに
- グッピーは楽しい魚である。・・・・・全ての熱帯魚のなかでも最も素朴でありながら、最も華麗であり、これ以上に興味深い魚もいない。
・・・・・いきなり高価な改良品種より、手軽く買える普通種からはじめる方がいい。これはグッピーに限ったことではなく、飼育・栽培の原則である。
・・・・・
「グッピーへの招待」という題名は、ソ連の生物学者ツインゲル著「動物学への招待」からヒントを得た。
第2節 グッピーの歴史
- グッピーの発見者や学名の変遷、欧米での改良の歴史、日本での普及について
第3節 グッピーの魅力
- グッピーは楽しい魚であるが、本当のことを言うと、やさしくてむずかしい魚とも言える。
・・・・・
グッピーの魅力は、その本来の生活力の旺盛さを信頼して、最もラフな飼い方が、最も楽しかった時期と、その時期を過ぎて、どうしたら美を奪回できるか、或いはどうしたらさらに美しいものがえられるか、と言う時期へ進入して行く。・・・・・
・・・・・
終わりがないと言うことは非常に楽しいことで、グッピーの魅力はそこにつきる。
第4節 さまざまな形
- イラストで種に尾びれ、背びれの違いによる各品種の解説。
ヴェールテールとファンテールの違いについて解説
ヴェールテールは尾びれが非常に長くのび、色とりどりの紋様が多く、アメリカ系にすばらしいのがいる。
ファンテールは扇のように開いた形で、尾びれの赤系等が多く、ドイツ系ににすばらしいのがいる。
著者が作出したデルタテールは尾びれが三角形になり、ファンテールから改良したものである。
第5節 品種
- 品種として流布するには80%の子が出る確定性がなければならない。
現在の日本のグッピー界で確実な品種と言えるものは、フラミンゴグッピー、タイガーグッピー、デルタテールグッピーの3種ぐらいだろう。
タイガーグッピーはヴェールテールグッピーとゴールデングッピーの交配から生まれたと言われている。
第6節 日本とアメリカの違い
- 戦後のアメリカはポール・ハーネル、フランク・アルガー、ウイリアム・スタンカ、ローランド・ウェンク、ウォルター・ケリイ等により素晴らしいグッピーが作出された。
我が国が品種を生み出せない理由は、売ることのみ専念するためと思われる。
けれども日本のグッピーの世界にも、やがてさまざまな品種が花開く時代がくることは間違いない。
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コメント
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私はこの本を古書で入手した知人から強奪したのを思い出しました。中学生時のことです。
氏にしては抑えめで平易な文体でありながら、しっかりとした基本道が示され、諸知識満載のこの本は画期的だったのだと思います。
投稿: 花やん | 2008年9月30日 (火) 09時30分
今では2年に一度位しか古書界でお目にかかれず、しかも時には25Kと高価な本を、当時、強奪したとは先見の明ありですね。(^_^)
確かにこの本、いわゆる「辛辣さ」は少ないかも。昨日読んでいた「観賞魚の友」の文体はメーカーにガチンコでした。
他の本と違い、この本というか氏の本は専門的であり、また専門的でないので紹介するのが難しいです。
投稿: イチ | 2008年9月30日 (火) 22時50分