「金魚の飼い方・ふやし方」 新井邦夫 その3
本文つづき
第2章 金魚の由来と飼育の歴史
由来を古文書にて解説。
- 文亀説 「金魚養玩草」(やしないぐさ)安達喜之 寛延元年 1748年
元和説 「大和本草」 貝原篤信(号 益軒) 寛永6年 1626年
白鳳説 「広大和本草」 直海竜 撰 宝暦5年 1759年
第3章 金魚の種類
イ,わきん(和金、和錦、やまと)
ロ,りゅうきん(琉金、琉錦、ながさき、長尾)
- 野生種からの突然変異説と、「わきん」が突然変異したという二説がある。
ハ,らんちゅう(卵虫、丸子、金鋳、<魚蘭魚壽>)
ニ,おらんだししがしら(和蘭獅子頭)
- 「りゅうきん」と「らんちゅう」の交配によって出来た説と、「りゅうきん」の突然変異による淘汰出現説がある。
治承4年(じしょう)頃から飼われた。
ホ,でめきん(出目金)
- 「あかでめきん」は明治28年頃渡来した。
ヘ,ちょうてんがん(頂天眼)
- 明治35、36年頃移入されたが全滅。大正年間に再移入されたが消滅。現在飼育されているものは戦後移入されたもの。
中国では深い坪瓶に飼育すると云われている。
ト,しゅぶんきん(朱文金)
- 「三色出目」と「わきん」又は「緋鮒」の交配といわれている。
相互交配では60%位が「しゅぶんきん」で、40%は鮒色をした金魚。
チ,キャリコ(キャリコ琉金)
- キャリコという名は、明治45年に米人のフランクリン・バッカードという人がつけたといわれている。
キャリコには「まだら色」という意味がある。
秋山吉五郎という東京の金魚養殖業者が作った。
リ,あずまにしき(東錦、キャリコ和蘭獅子頭)
- 「おらんだししがしら」に「三色出目」を交配。
ヌ,ぢきん(地金、孔雀、六鱗、しゃち)
「わきん」の突然変異したものを分離淘汰。
ル,とさきん(土佐金)
ヲ,コメット
18世紀の頃ワシントンの水産局の池で出来た金魚であるといわれている。
コメット(彗星)の如く泳ぎの早い魚である。
以下は品種として固定されなかったため、見ることが出来ないか、見る機会のほとんどないもの。
ワ,きんらんし(金蘭子)
- 明治35、36年頃秋山吉五郎氏が作った金魚で、「りゅうきん」と「らんちゅう」を交配すると、約30%得られるとされている。一説には「わきん」との交配であるともいわれている。
カ,わとうない(和唐内、和琉)
- 「りゅうきん」と「おらんだししがしら」の交配
ヨ,しゅうきん(秋錦)
- 「らんちゅう」と「おらんだししがしら」の交配して秋山吉五郎氏が作った。
この金魚が泳いでいると、秋の紅葉が池に散って、あたかも錦を敷いたようであることから、松原新之助博士が名付けた。
タ,つがるにしき(津軽錦)
- 元明・明和年間に津軽藩の武士達に愛玩飼育された。
レ,はなぶさ(鼻房)
この他には弘前の「ひろにしき」、山形県の「やまがたきんぎょ」、新潟県の「さばお」
遺伝から色彩や形を解説
目は普通目が優勢、出目は劣性
鱗は普通鱗、透明鱗、網透明鱗があるが優勢、劣性諸説ある。
色は鱗に分布するグワニン結晶体による。
第4章 金魚の飼い方の基本
第1節 金魚を飼育する水について
(水中の酸素と炭酸ガス)
- 摂氏25度位の水温で飼われている金魚の正常な呼吸回数は100回位。
硬度、PHの説明
第2節 金魚の飼料と正しい給餌
イ,天然餌料 種類、採集法等を詳細に解説
みじんこ(水蚤)
けんみじんこ
赤ぼうふら
糸みみず
ブライン・シュリンプ
ロ,人工餌料
第3節 適当な光線と水中植物の働き
青粉の重要性を解説
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