「グッピーへの招待」 和泉克雄 緑書房 昭和42年
「グッピーへの招待」 和泉克雄 緑書房 昭和42年9月25日 A5版 220ページ 定価700円
本書はグッピー専門書として日本で始めて出版された本で、著者である和泉克雄氏はその第一人者であった。
同氏は詩人でもあるため文体は一部独特であり、また「こだわり」をもって書いているので同業者に対し痛烈な言葉も時々でる。このことは「グッピー百科」のあとがきにおいて氏自身も述べていることである。
この本の出版後同氏は、代表的なグッピーの本として、昭和45年に「グッピー交配の秘密」(緑書房)、昭和47年には「グッピー百科」(西東社)を著している。
出版社である緑書房は観賞魚専門雑誌「フィッシュマガジン」を昭和40年から出版しており、熱帯魚界では古くから多くの関連本を出している出版社である。
なお、古書界において昭和40年代の同氏の本は高価である。
また氏は魚に関しては卵生目高やグッピー以外の卵胎生にも精通しており、「熱帯メダカ族入門」(東京書店)1985 は結構楽しめる本である。
もう一つ氏の得意分野は水草である。今でこそアクアデザインアマノ(ADA)の天野尚氏が熱帯魚界の新境地として水草によるレイアウトに着目し広く普及したが、それ以前の水草本の出版物としてはヤマサキ水草園の山崎美津夫氏の「水草の世界」(緑書房)1978と和泉克雄氏の「水草のすべて」(緑書房)1968だけであった。
実はもう一冊「水草園芸」 近藤龍雄 加島書店 昭和38年と言う本がありますが、熱帯魚分野ではなく園芸分野の本でした。もちろん熱帯魚用の水草も載っています。
本書の構成の特徴は、前に述べた「こだわり」の現れだろうか、一つの章を6節と12節でまとめている。
【構成】
※本書では「章」はローマ数字、「節」は単にアラビア数字
表紙
扉
序文
目次
第1章 グッピーへの誘い
第1節 はじめに
第2節 グッピーの歴史
第3節 グッピーの魅力
第4節 さまざまな形
第5節 品種
第6節 日本とアメリカの違い
第2章 飼い方の要点
第1節 水槽
第2節 水質
第3節 水草
第4節 水温
第5節 酸素
第6節 ろ過装置(ろはさんずいに戸)
第7節 光線
第8節 餌
第9節 砂
第10節 病気
第11節 害敵
第12節 共棲できる魚
第3章 すばらしいグッピーの作り方
第1節 すばらしいグッピーとは
第2節 すばらしいグッピーを作るには
第3節 改良種と純粋種
第4節 純粋種の見分け方
第5節 選別と除去
第6節 処女雌
第7節 純粋種の設定
第8節 純粋種と品種改良
第9節 色彩について
第10節 劣性斑点
第11節 出産についての注意
第12節 すばらしいグッピー論
第4章 グッピーの遺伝と法則
第1節 ハーネル,ホイトニーの言葉
第2節 グッピーとエンドウ豆
第3節 優勢と劣勢
第4節 グッピーとホシカメムシ
第5節 単性雑種
第6節 グッピーとヴェリフェラ
第7節 突然変異
第8節 グッピーとオシロイバナ
第9節 もどし交配
第10節 グッピーの尾びれとニワトリのとさか
第11節 グッピーの特質
第12節 禁じられた色
第5章 グッピーの世界
第1節 開拓者達
第2節 グッピーと朝顔
第3節 空港で生まれた三匹の子
第4節 <グリーンネオン・キャッツアイ>
第5節 レビステス・メランゾーナス
第6節 他の属との雑種
第7節 グッピーの同性愛
第8節 やもめの出産
第9節 テストフィッシュとしてのグッピー
第10節 副業としてのグッピー飼育
第11節 未来のグッピー
第12節 一輪の花
第6章 コンクール・その他
第1節 コンクール
第2節 コンクールの在り方
第3節 コンクールの採点基準
第4節 夢想と現実
第5節 楽しい世界へ
第6節 おわりに
口絵
本文
参考書及び資料
奥付
-----メモ-----
「グッピーのすべて」(東京書店)1995
「グッピーの楽しい飼い方」(東京書店)2002
上記2冊は同じ内容
「熱帯メダカ族入門」(東京書店)1985
「熱帯メダカ族百科」(東京書店)1996
「熱帯メダカ族の楽しい飼い方」(東京書店)2001
上記3冊は同じ内容
1963年=昭和38年
1967年=昭和42年
1968年=昭和43年
1970年=昭和45年
1972年=昭和47年
1978年=昭和53年
1985年=昭和60年
関連書
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