「熱帯魚のやさしい飼い方」 熊谷孝良 包装印刷工芸社 昭和42年
「熱帯魚のやさしい飼い方」 熊谷孝良 包装印刷工芸社 昭和42年7月発行 B6版 110ページ 定価200円 副題「はじめて飼われるかたがたのために」
本書は昭和40年前半に出版された他の飼育書に較べ、カバーもないソフトな装丁である。
「改訂版発行について」の中で、本書は前年に発行したが、読者から写真を入れて欲しいとの要望に対応し改訂したと書かれている。
ただ、文面の最後に「昭和卅八年八月 著者しるす」となってる。卅=30なら昭和38年となり年代が合わないので、恐らく卅は四の誤植でしょう。
出版社である包装印刷工芸社についてはまったくわかりませんが、同じ著者による「金魚・鯉のあたらしい飼い方」、副題「日本産金魚 中国産金魚・錦鯉」 定価160円を出しています。(巻末広告より)
著者の熊谷孝良氏は本書執筆時点では東大生物学教室にいたが、多分後には慶應大学の教授をされていたと思います。初期のフィッシュマガジンにも執筆していた記憶があります。
主に海外の飼育書を翻訳し、昭和60年にTFH社の翻訳本として緑書房から「原色熱帯魚大事典」、昭和55年~昭和58年に西ドイツテトラベルケ社出版部の本を翻訳し日本ワーナー・ランバート(株)より「テトラ熱帯魚シリーズ」を海水魚1冊を含め6冊著している。
この本は作りが洋書テイストで良かったが当時としては非常に高価であった。(今出版しても3500円は購入に躊躇するかも)。他にもディスカス本なども翻訳している。
また、熱帯魚ばかりでなく、先に書いた金魚飼育書の他に東京書店から「金魚の飼い方」なども書いている。
余談だが、ワーナー・ランバート(株)からは世界のアクアリウム情報として「Tetra Aquarium Digest International」が季刊誌(多分19冊で終わり)として、また1979年頃にクラブの会誌「テトラアクアリストクラブ」全9冊が出ている。これにより、当時は世界の最新アクア情報を日本語で知ることが出来た。
【構成】
口絵
扉
序
改訂版発行について
まえがき
目次
第1章 はじめて熱帯魚を飼うかたがたに
第2章 熱帯魚の飼い方
第3章 飼育管理上の注意
第4章 熱帯魚のふやし方
第5章 魚のわけ方と魚の説明
第6章 水草
第7章 記録をつけるおすすめ
あとがき
-----メモ-----
卅=ソウ、さんじゅう
西暦1967年=昭和42年
関連本
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