「支那の淡水魚」 その4
魚の説明続き
- ※中国の字がないので魚偏の字は(魚?)の2文字で表しています。
チョコ口の白魚 その他
- 日本なえあシラウオであるが、支那では鯉科の魚で(魚白)※魚偏に白とも書く。
能書多い泥鰌と花鯰
- 花鯰は日本のアユモドキに似て、支那本土のみ数種生息する。
石を抱く石斑魚
- 四川、雲南等の参観の渓流に産する魚に石斑魚又は石把魚がある。(※リザードフィッシュかな?)
ホマロプテラは南支那の山間に棲み、石爬魚という。
轉地した地震鯰
- 揚子江上流の沙市で5尺6寸の大鯰を見たことがある。鯰は(魚夷)魚、(魚是)魚、(魚偃)魚とも称するが、俗には鮎魚だ。これは粘から出たのだと云う。大きいのは大頭魚という。
刺す黄頬魚と鮠魚
- 日本の川にいるギギ又はギバチに似ている魚が支那にも住み、黄頬魚とか音から(魚央)魚と呼び、昂然としているから昂公魚とも言われる。
鮠魚はギギに似て而も大きく灰色。鱗は無く皮は固く瘤で出来ている。矢張り人を刺すから危ないとて(魚回)魚、(魚灰)魚とも呼ばれる。
蠅取になる黄(魚單) 附 鰻
- 黄(魚單)はタウナギと言う。タウナギを軒に下げて置くと奇妙に蠅が寄りつかぬ。又骨を粉にして混ぜ物を入れ、乾し固めれば立派な蠅取粉が出来る。是は逝江省の田舎で用いていた。
普通の鰻は白(魚單)、鰻(魚麗)魚、蛇魚とか呼ばれる。
淞江の鱸
- 加賀国のゴリと呼ぶカジカ魚のこと。
喧嘩好きの蝶魚
- 花嫁の様に美しいとて新婦魚とも称される。(※パラダイスフィッシュのこと)
蛇頭の烏魚
- 支那全土にいて黒いから黒魚、鱧魚とも称す。朝鮮ではカムルチーと呼び、台湾では雷魚と云う。
烏魚に似て胸鰭の無いのは、横腹に七つの碧色星が有るので七星魚、又は夜遊びの得手なので吃星魚とも云う。
(魚厥)魚 ※ケツギョ
- オヤニラミに似ていて1尺前後になる。ケツギョは桂花咲く頃美味なので桂花魚又は花(魚李)魚、石桂魚とも称される。
西にレーニンの刺
- 刺鰍は3寸計りの小魚で、泥鰌に似て刺がある。
8,魚の病気
- 支那の淡水魚には寄生虫が多いから生肉の料理は決してお勧めできぬ。
9,淡水漁業地
- 福建省、広東省地方は養殖が盛んな土地。昔は魚の養殖を水畜と称していた。
10,河漁法
- 漁網を丈夫にするために、日本では渋を引くが、支那ではクチナシの実で染め、次に豚の血で染めて仕上げをする。
獺(カワウソ)漁法は世界唯一箇所あるのみ。投網を下ろし其の網に明けた孔から獺が飛び込んで、網中の魚を咥えて上がる。
11,魚の怪談
- 化物譚、所謂荒唐無稽な説は支那には甚だしく多い。然し物語風の化物話の中で魚に関したものは全く少ない。川魚となれば精々鯉や(魚尋)※チョウザメが活躍している位である。
-----メモ-----
轉=テン、ころ・がる、ころ・ぶ 偃=エン 單=タン、ひとえ 淞=ショウ 鱧=はも、レイ 厥=ケツ、クツ、そ・の 桂花=キンモクセイ 鰍=かじか
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