「支那の淡水魚」 雨宮育作、木村重共著 東亜研究会 昭和6年
「支那の淡水魚」 雨宮育作、木村重共著 東亜研究会 昭和6年4月3日発行 定価50銭 67ページ 四六判 東亜研究講座第38輯
本書は日本が第一次世界大戦前後から進めていた、中国(支那、満州)への進出時代に書かれた本で、軍部や資本家だけでなく多くの研究者もかの地へ新たな研究目的で進出していました。ハスで有名な大賀一郎氏なども同じだと思います。
雨宮育作氏は東京大学の教授で先にも紹介した「熱帯魚と淡水魚」雨宮育作、加藤邦三、アルス、昭和9年や「熱帯魚」飼い方の手引き、雨宮育作監修、誠文堂新光社、農耕と園芸編集部、昭和29年など熱帯魚関連の本に関わっています。
一方、木村重氏は大学の教授も務めたが、どちらかと言えば在野の人という気がします。名著「魚紳士録」は氏が支那はもちろんのこと東シナ(東南アジア)一体を調査研究した集大成だとお思います。
因みに「魚紳士録」はフィッシュマガジン誌の初期の段階からの掲載されていたものを本として出版したもので、緑書房より昭和46には正続、昭和58年には2冊組として出版されています。この他にも魚に関する本を数冊出していますが、熱帯魚飼育書は書いていないと思います。
フィッシュマガジンついでに、この雑誌の初期は今では考えられないような執筆陣で、大学の教授クラスの記事が多いのです。創刊号を含め通巻番号間違い等、いづれ紹介したいと思います。
構成
目次(※本書では「内容」と書いてあります)
本文
1,支那の川
2,支那の魚の重要さ
3,支那の淡水魚の分布
4,魚の作り変へ
5,魚の研究略史
6,支那の魚の特徴
7,魚の説明(※ここで各魚種がイラスト入りで紹介)
8,魚の病気
9,淡水魚業地
10,河の漁法
11,魚の怪談
この本の構成は非常にシンプルで扉、口絵なし、奥付に至っては裏表紙に書いてあります。
-----メモ-----
輯=シュウ
西暦1931年=昭和6年
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