「いわきの淡水魚」その4
本文その3 ※保護のため詳細な河川名等はここでは書いていません。
カマツカ 扁平口で砂ごと採餌
- 好間川、鮫川水系で確認されているが、天然分布かどうかは不確かである。
鮫川水系で「ドガンポ」と呼ばれている魚がカマツカかもしれない。
スナホリ、スナクジリなどという地方名もある。
ボラ 呼び名変わる出世魚
- 成長するに従って呼び名が変わる出世魚で、東京付近ではオボコ、イナ、ボラ、トドと変化する。「トドのつまり」はここからきたとも言われている。
夏井川、藤原川、鮫川の河口に沢山生息している。放流口に何故か良く集まる。
カムルチー(ライギョ) 貪欲な大陸産の雷魚
- 1920年代に中国と朝鮮から奈良県に持ち込まれた。また、タイワンドジョウは1906年と1916年に台湾島から大阪府へ移入され、近畿地方に分布している。
いわき地方に生息しているのはカムルチーである。市内の沼で繁殖している。
筋肉中に寄生虫がいることがあるので、生で食べるときには注意する。
ニジマス 放流しても定着せず
- いわき市に限らず日本の河川ではほとんど定着しない。原因は根こそぎ釣られる、養殖により河川に適応できない、洪水時に海まで流される、夏の水温が高い、日本の在来種と共存できない、などなどです。
ソウギョ 丹後沢にも生息?
- 草魚は実際にヨシやマコモなどの沿岸の陸生植物を好む。
いわき地方では釣れた事が時々話題になるが、ソウギョなのかハクレンなのかわからない。
オオクチバス(ブラックバス) 各地で在来種を食害
- 1925年にオレゴン州から芦ノ湖に移入され、1950年後半から私的に放流された。
いわき市内でもすでに6カ所が確認されている。いわき地方の池や沼は小面積であるため、たちまち既存の魚種を「食害」している。
ハゼ まだ不明な産卵習性
- ハゼの大半は、「潮ざかい」と呼ばれる汽水域に住んでいる。いわき地方には代表的な種であるマハゼが、鮫川、藤原川、夏井川河口で良く釣れる。
このほか沼でジュズカケハゼが生息している。
クチボソ コイに似た”雑魚”
- 冬のものは佃煮にすれば食べられるが、それ以外はニワトリの餌程度と言われている。
クチボソとは東京地方の方言で、標準和名はモツゴという。
手近な池や沼、平野部の河川に生息しているが、ホンモロコと思われる魚種がいわき市内の河川に分布している。
ニゴイ 下流で確認
- いわき市内では2河川で確認されている。
4年で成魚になり、30cmぐらいになるとの事。
ワカサギ ダムなどに放流
- ダムに放流実績があるのみで、それも最近のことではないので生息しているかわからない。
この魚を特に取り上げたのは、最初の移植が福島県松川浦で明治41年のことだからです。
ワカサギは若鷺の意でサギは白く清らかの古語。また「公魚」と書くのは11代将軍家斉の頃、潮来の北の麻生藩からの年貢として納められたため、公儀御用の魚の意味で造語したと言われている。
アマゴ ヤマメとうりふたつ
- 体側に鮮明な朱赤色の斑点が散在することでヤマメと異なる。
アマゴは琵琶湖にいるビワマスの河川型と言われている。
いわき地方は天然分布域ではないが、鮫川水系に生息するという情報がある。ヤマメと近い仲間であるから、純粋な系譜が絶たれる恐れがある。といってもヤマメ自体放流しているので、一概に責めるわけにもいかない。
サケ 遡上確認
- サケの仲間には、マスノスケ(キングサーモン)やギンザケ、カラフトマス、ヒメマスなどがあるが、いわき地方でとれるのはシロザケが大部分である。
主に遡上するのは、稚魚放流を組織的・継続的に行っている鮫川、夏井川である。
以上で「いわきの淡水魚」の紹介は終了です。因みに紹介魚種は75種でした。
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