「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 その5
第7節 戸外での飼育
- 池(プール)
広いほどいいが、秋に水を落として魚を水槽に戻す関係で、深さは3段階がいい。
最深部は傾斜を付け、魚寄せよして洗面器ぐらいの穴を作る。 北側にエサ場を設ける。
コンクリートは3寸は必要で、コンクリートの下には赤土に石炭を入れ、たたきとする。
コンクリートは強アルカリなので、夏は1ヶ月、冬は2ヶ月間ワラを入れて灰汁を抜く。急ぐ場合は18リットルに対して、2.8gの燐酸を入れ48時間放置後、水換えする。
- 水と草
常に池の底が見えるようにするには、毎日少量の水換えをする。噴水による新水は2割程度にする。
水草の植え込みは鉢植えとして沈める。一番浅いところには、挺水性のコウホネ、クワイ、フトイ、シペラス、エキノドルスが良く、その間にハイグロフィラ、ルドウィジア、ペニーワートを植える。次の深さの北側には沈水性のサジタリア、バリスネリア、カボンバ、アナカリスなどとする。最深部はスイレンがいい。
- 飼育管理
池で飼育して丈夫な魚はグーラミ類、シクリッド科の魚、パラダイスフィッシュ、ベタ。
池では弱く特別な成長がめだやないものはカラシン科の魚で失敗しやすい。
第8節 学校水族館
- 自然に親しみ、豊淳な心情、生物を愛育する心を培い、科学的思考力と、勤労を喜ぶ国民に導く教育としてまことに好ましい。
第9節 標本作製法 ※飼育本には珍しく良く書いてあります。
- 魚拓法
眼の回りやヒレの所の水分は良くとり、墨は体の上半分は濃くする。和紙は新聞に霧吹くしその間に入れて少し湿らせてから指で刷る。
- 乾燥法
体表のゼラチン質を洗い落とし、50%のホルマリンに数時間浸けてから、水洗い後乾燥させる。
- 液漬標本法
歯ブラシを使ってゼラチン質を良く取り除き、アルコールは70%、ホルマリンは80%のものに10日間浸けておく。保存液はアルコールハ80%、ホルマリンは10%ぐらいにする。
栓をしっかりし、パラフィンで封じ、ビニールをかぶせ、しばっておく。
- 透明液浸標本法
小魚の骨格など、体のを透かしてみる標本である。
魚体のウロコをとり、皮をむく。剥いた魚を苛性ソーダと苛性カリを主体に作った第一液に10分浸ける。次にグリセリン、ホルマリンを主体に作った第二液に数日間浸けておく。そうすると透明度が増し、腐敗しなくなるので、ホルマリン15、グリセリン10、水100の永久保存液に入れる。
- プラスチック封入標本
ポリエステル樹脂による標本。
水分が多いと乳濁するので、よく取り除く。体内細胞を固定するためホルマリン10%液で固定する。固定後砂糖漬(水100ccに砂糖80g)にし、沈んだら半乾燥にする。ガラス容器に入れ樹脂を入れる。
- セットは市販されている。(※当時のことです)
魚の透明液 第一液500cc、第二液500ccで900円 日本生物研究所
封入標本製作セット ポリエステル樹脂500g、触媒薬10g、促進剤10g、離型剤5g、スチロール15cc、紙コップ2個、スポイト1本で750円 藤戸理化学商会
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