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2008年6月16日 (月)

「熱帯魚」 雨宮育作監修 その5

※ここからは各魚の説明です。面白い或いは特色のある説明だけ書いておきます。

熱帯魚の種類と習性

  • 説明中には雌雄の判別法と産卵について書いてある。また、白黒ですが写真も結構あります。

卵生する種類 26種 執筆:竹腰宏、石川貞二

  • ネオン・テトラ
    繁殖は昭和29年の正月に大阪の辻本氏が初めて成功した。※牧野信司が世界で初めてと言う記述をよく見かけるが、どっちが本当なのか。
  • ナノストマス・アノマルス
    anomalusはラテン語の変態(abnomal)の意味で、カラシン科の特徴である脂鰭を持たないためである。
  • プルッカーのことをラスボラ・テトラと呼んでいる。

鯉科 20種

  • バルブス・オリゴレピス
    オリゴレピスとは鱗が少ないという意味のラテン語である。
  • ガーネット Aphyocyprinus sp
    初めて輸入されたときはラスボラ・バンコックと言う名が付いてきた。しかし最近ラスボラではなくアフィオシプリナス属に入れられている。種名は明らかでない。
    雄は体に金色に近い茶色の線が入り非常に美しい。
  • ブラック・シャーク
    この魚が初めて発見されたときは、アメリカで1000ドル(36万円)したそうである。

卵生目高科 11種

シクリッド科 14種

  • ディスカス
    完全な番は1000ドルとも言われている。
  • アピストグラーマ(アピストグラマ)
    現在飼育されているのは、ラメリザイ(ラミレジィ)、アガシザイ(アガシジー)、パーテンス(ペルテンシス)、U2である。

その他の熱帯魚 21種

  • トーキング・キャットフィッシュ
    胸鰭が特に発達していて、これで餌を引き裂いて食べるらしい。※すごい事言ってますが写真はちゃんと載っています。
  • コリドラス かっこ内は今風に
    現在我が国には10種類くらいのコリドラスがきている。エーニュス(エネウス)、arcuaus(アークアタス)、sabauti(ラバウティの間違いか、アークアタスに似ているが黒い線は背中から尾部まで通っている)、hastotus(ハステータス)、julii(ジュリー、レオパード・コリドラスと呼ばれている)、melanistius(メラニスティウス)、paleatus(パレアタス)、punctius(プンクタータス)
  • ロリカリア・パルバ
    鰐に似ているのでアリゲーターフィッシュとも言われている。

胎生する種類 8種 執筆:藤井安雄(東京水族館)

  • グッピー 説明に1ページ半ぐらい紙面を取っています。
    雄は美しい斑紋や尾ヒレの変形があり、いわゆる単性多型の一つで、シュミット(Schmidt)やウインゲ(Winge)の遺伝研究に用いられて有名である。

    「グッピーも将来らんちゅうのようにグッピーだけの品評会もできることであろう」と言ってます。また、グッピー以外ではベタくらいであるとも言っている。この人はスゴイですね。

    現在の鰭の形でも、ベールテールグッピー、ソードテールグッピー、ファンテールグッピー、ライアテールグッピーなどと名付けられている。また、ゴールドグッピーといわれるのがある。
  • ワグテール・プラティ
    これは戦前にはなかった品種で、マイロン・ゴルドン博士(Dr.Myron gordon)が原種のプラティの交配によって黄色のものを作り固定した。
  • ブラック・プラティ
    全体が真っ黒ではなく、腹から尾の部分までがゴマを撒いたようになっている。背は灰褐色。
    このブラック・プラティの背や頭の部分の地色が赤や黄に変化したものを固定させたものにヘルメット・プラティとタキシード・プラティがある。
  • ベリアタス(バリアタス)
    雄の体色には2系統ある。ひとつは、側面・背鰭は黄色で尾鰭は黄赤色、他系統は体側に青色を混え、背鰭は黄色で尾鰭は濃赤色である。
  • ソードテール
    若いときははじめは雌雄比が75対25であるが、成長後にこの比が反対に25対75になる。

    エッセンベルグの研究によると、本来の雌雄の比は75%対25%であって、その75%中の25%は正常に雌として発育するが、残りの50%は発育途中で卵巣が退化し雄になる。

    ソードテールは大正5年に、金魚の育種で有名な東京の秋山吉五郎氏が初めて輸入された物で、これが日本で淡水産熱帯魚の輸入し鑑賞した最初のものである。
  • レッド・ソードテール
    1922年ニューヨークのシルバー氏がレッド・プラティと原種のブルー・ソードテールとを交配して出来た。現在多く見られる美しい朱紅色のものは1930年頃に前のとは別に変異から生じたものと言われている。

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コメント

 この本は貴重ですねえ。見たことないですが。
 当時の風景の写真などは非常にみてみたいです。レッドソードは雑種起源と信じていましたが。単独の変異だった、、。これは私にとっては新しい知見です。きっとそうなんでしょう。

花やん さん、こん**は。
レッドソードの記述ですが、1922年の個体は黒味がかった煉瓦色で、1930年ごろの個体は当時ピュアレッドと呼ばれたと書いてあります。
作出者の名前が出ているのは、藤井氏が当時のアメリカの雑誌The Aquariumに目を通していたのだろうと思います。(Tropical Fish Hobbyistの創刊はたぶん1956年ぐらいなので、この本の出版と微妙に時期がずれる。1989/6が通巻400号から推定しました。)

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