「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 その4
第4節 保温
- サーモスタットとヒーターの使い方
水槽の大きさとヒーターのワット数の関係が表になって載せてある。
- 保温箱
ひよこ電球だけの保温ケースは温度管理が大変なので、ケース内にサーモスタットを納めると理想的な管理が出来る。
- 温室
排水の良いところ、通風良く設計する、水や電気の便利なところ
- 温室の暖房方法
電気 赤外線電球(動物園で使っている放熱電球)の500ワットで室温20度を保つためには、坪当たり1燈が必要。5坪で1日あたり700円かかる。
ガス 電気と同じぐらい費用がかかり、完全燃焼しないときに害がある。
石油・重油 補給を忘れてはならない。燃焼装置の安全な物が少ない。
練炭 一般に使用者が多い。費用も安くてすむが、ガス漏れに注意する。
電気料金表(使用量1~82KWHまで)、小型温室暖房燃料の長短表(燃料の型別、品名、暖房方法、価格の高低、取扱上の良否、室内の環境、備考→使い勝手・欠点等)
第5節 餌
- 粉餌
粉餌を自作する場合の配合例
魚粉 37.5g 煮干し粉かカツオ節の粉
エビ粉 37.5g 釣り道具店にある
レバー 37.5g 豚より牛の肝臓がよい
ホーレン草 18.8g チシャ(レタス)でもよい
卵 1個
メリケン粉 112.5g
以上を一緒にしてすりつぶし乾燥させる。焼いて乾かしてもいい。完全に乾燥させた物を、コーヒーひきかうすで粉にしふるって大中小にわける。大きい粒は米粒大、中は仁丹の粒ぐらい、小は少し小さいぐらい、粉は稚魚の与える。
ワカモト、エビオスなどのビタミン剤を加えることも研究されている。
- 生き餌
イトミミズ、ミジンコ、ボーフラ、赤ボーフラ、ミミズ、ブラインシュリンプ、ホワイト・ウォーム(ミクロウォーム)、インフゾリヤ、植物性プランクトンについて採取法、保存法、培養法等が詳細に解説されている。
- 餌の与え方
飼育上手と言われている人は、餌を上手に与える人のこと。
第6節 容器の掃除
- 水の調整
グリーンウォーター
植物性プランクトンの繁殖が原因。魚の数、光線、水草のバランスがとれていない。ミジンコを入れると1週間で透明になる。過マンガン酸カリを1ガロンあたり0.008gで溶かしてもいいが、水換えした方がいいでしょう。
水の白濁
光線が弱く、底にゴミが溜まっているときにバクテリアが繁殖している。水を取り替えた方がいい。フィルターやエアーレイションも効果がある。筆者は医療器具のイルリガールに活性炭やガラスウールを入れ使用している。
水温の変化
停電等で水温が下がりすぎた場合は、28度ぐらいにし、2~3日で常温に戻す。
水面の被覆
練炭ストーブや石炭を燃やしている温室では、水面に銀色の膜が張るので、水面に紙をのせ吸い取る。
魚のフンと苔
ゴミはディップチューブやビニールホースで取り除く。苔は観察する側の1面でけでもいい。
- 貝類
貝の飼育が苔を食べさせるのが目的ならば、新芽を食べてしまうので止めた方がいい。
美しいレッド・ラムション・スネイルなどは、これだけを別に飼育しても十分鑑賞価値がある。
- 魚の害敵と除去
ゲンゴロウの幼虫は卵や幼虫でミジンコ、イトミミズと共に入る。見つけ次第取り除く。トンボの幼虫も同じ経路で入ってきます。
ヒドラは水温55度ぐらいにすると死滅する。ブルーグラミーやコリドラスを入れると3日ぐらいできれいに食べてくれる。薬品の場合は硝酸アンモニアを1リットルの水に90mgの割合で入れ、水温を30度にする。
チョウ(魚ジラミ) 1リットルの水に対し0.005gの過マンガン酸カリを溶かして水槽に入れると、割に簡単に死滅する。
イカリ虫 ピンセットで取り除く。
- 病気の予防と治療
白点病、尾グサレ病、マウス・ファンガス病、ドロプシィ(松カサ病)、フリュークス(ギロダクチラスやダクチロギラスの寄生による)、ウェルヴェット(ベルベット、コショウ病)、シムミース(魚の風邪)。以上についての原因と治療法が述べられている。
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