「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 その3
第2節 水と砂
- どんな水がよいか
水質は魚の種類によって変えなければならないが、我々にはそれが出来ないので魚に害のない水を作り使う。
ハイポは使用するにあたって煩わしさがない。最近はエントールと言う塩素濾過消却器も販売されている。
塩素が含まれているかは、試験液により測定するが次の方法で作れる。
蒸留水400cm3用意し、別に200cm3の濃塩酸にオートトリジン1gをよく溶かした液を作って、前の蒸留水に混ぜ、更に濃塩酸を200cm3を加えて、十分溶解したところへ、蒸留水を加えて全量が1リットルになるようにする。
井戸水は硬水なので煮沸により軟水にする。ただし酸素がなくなるのでエアーにより補給する。またアルカリ性の水は酸性燐酸ソーダにより、酸性の水は重炭酸ソーダにより中和させ中性にする。
- エアーレイションについて
最初のフラスコにメチレンブルーを入れ殺菌し、次のフラスコにフェノールフタレインを入れ炭酸ガスを吸収させてから水槽に送る。
- 砂はどんなのが良いか
大磯なら申し分ない。粒の大きさは1分(3mm)~2分(6mm)がいい。繁殖に使うなら30分煮沸消毒する。
砂を使う場合は1日水につけておいて洗うと、比較的早く洗える。
厚さは前部1寸(3cm)後部をその倍にするのが普通です。
第3節 水草と光線
- 青々と茂った水草に見え隠れする魚を見てこそ、飼育趣味の良さがある。
バランスト・アクアリューム 水草の同化作用と魚の呼吸作用の生理作用が互いに助け合ってバランスをとる。
水槽の大きさと魚の数の関係一覧表が載せてある。(※寸=3cm、尺=30cm計算)
幅 高 奥行 小型 中型 大型
1号(ガラスバット) 1.2尺*8寸*8寸 10 4 0
2号( 〃 ) 1.3 1尺 8 10~15 4
3号 1.3 1 1 15~20 5 2
4号 1.5 1 8寸 20 5 2
5号 1.5 1 1 30 10~15 3~4
6号 2 1 1 50 20 4
7号 2 1.2 1.2 50~100 20~30 6
8号 3 1.5 1.5 150~200 50 10
9号 3 2 1.5 200 50 10
10号 4 2 2 300 100 15
- 実用的な水草
一般的にはバリスネリヤ(セキショウ)、サジタリヤ、ハイグロフィラ、ルドウィジャである。アナカリスやカボンバもいいが水温が25度以上になると下葉から枯れていく。
- 観賞用の水草
マダガスカル・レース・プラントは鑑賞価値十分で高価だが、2~3年で必ず枯らす人が多い。筆者は特殊栽培で樽で栽培している。大型水槽にはなんと言ってもアマゾン・ソード・プラントが良く、葉の幅が3寸(10cm)、葉の長さ2尺(60cm)、葉数50枚近くなる。
クリプトコラインも水質がいいとよく繁茂する。水草については専門に研究されている藤本義昭に書いていただく。
- プール用水草
戸外に向くものといして、浮水種と挺水種がある。リシヤ、ボタンウキクサ(ウォーターレタス)、ホテイ草(ウォーターヒヤシンス)。ウォータースプライトとウォーターファンなども、水深2~3寸で植えておくと元気に育つ。
- 水槽の大きさと光量
我々は趣味が魚の飼育であって、栽培困難なレース・プラントを苦労して育てるよりは、元気な水草を使って魚の研究をするべきでしょう。
蛍光灯は一般的に白色光、天然白色光、昼光色を使用している。自然光線の場合は鏡を使って反射し上部からの光線に変える。
人工光線の基準表が載せてある。
1~3号 10ワット 1
4~5号 10 2
6~7号 20 1
8~9号 20 2
10 号 40 2
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