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2008年6月

2008年6月29日 (日)

「熱帯魚の飼い方殖し方」 石川貞二 至誠書院 昭和28年

「熱帯魚の飼い方殖し方」石川貞二 至誠書院 昭和28年9月5日発行 定価250円 地方買価255円 172ページ B6版

 数少ない昭和20年代の熱帯魚飼育本です。著者は東京水産大学卒業後フリスコ熱帯魚研究所に勤務し、ここで熱帯魚の飼育、繁殖に携わっていた方です。

 著者はこの本の他にも、金園社から昭和39年に「熱帯魚の正しい飼い方(付海水魚の飼い方)」、田中書店から昭和32年に「金魚 観賞と飼い方」を出版しています。

 なお、加島書店からも同名、同著者の飼育書が出版されていますが、これは出版社である至誠書院(至誠堂書院)の園芸部が昭和29年に独立して加島書店を設立したためで内容は同じです。(HPより)

 ホームページには上記のように昭和29年と書いてありますが、加島書店版の本は昭和28年発行となっているようです。
と言うことで至誠書院版の方が古書界では少ないかも知れません。

構成


口絵
はしがき
目次
本文
 総論
  第1章 飼養前の準備
  第2章 飼養中の注意
 各論
  第1章 カラシン科
  第2章 鯉科
  第3章 胎生メダカ科
  第4章 卵生メダカ科
  第5章 闘魚科
  第6章 シクリッド科
  第7章 その他の熱帯魚
附録
 熱帯魚の企業化


 函の表側と背は書名、著者名、出版社名、裏側は社章と定価が書かれています。加島書店の方は函に丸い穴(窓)を開けカバーのイラストのエンゼルフィッシュが外側から見えるように工夫してあります。

カバー
 エンゼルフィッシュとスマトラの混泳の白黒写真が載っていて、加島書店版のイラストより高級なのでしょうか。


書名、著者名、出版社名が書いてありますが、出版社名のところが、東京至誠書院となっています。

口絵
カラーイラストで39種の熱帯魚を紹介している。

-----メモ-----
西暦1953年=昭和28年
関連書

「金魚の飼い方」 中村中六 その6

第9章 金魚の輸出について ※相当省略してます。
 第1節 沿革の概要

  • 輸出と言われる様になったのは明治中頃で、産業的に行われるようになったのは明治の終わり頃らしい。

 第2節 輸出金魚の種類
 第3節 輸出の時期
 第4節 輸出の方法と輸送成績
 第5節 金魚輸出業者と対外取引

附 熱帯魚の飼い方
 第1節 熱帯魚飼育の要点

 第2節 容器その他の道具
  1,水槽

  • 丁度好い大きさは20寸*12寸*12寸ぐらいである。水草のためには出来れば14~16寸が好いかも知れない。

  2,各種の道具

 第3節 飼育場の注意
  1,バランスド・アクアリュームについて
  2,用水について
  3,水温

  • 主要熱帯魚の適温表が載っています。

  4,水槽の魚収容能力

  • 大体5.5cm位の魚1尾について100m2の面積が必要と言われている。
    水槽の魚収容能力概数表が載せてる。

  5,投餌、水替
  6,飼育上の毎日の注意

 第4節 水草と貝について

  • 水草ではカボンバ、クリプトコリーネ、アナキャリス、バリスネリヤ、サジタリヤ、ミリオフィラム(金魚藻)、セラトフィラム(マツモ)、リチヤ(リシア)、サルビニヤ、ウォーター・ファーン、ウォーター・スプライトの解説。

    貝ではコーラル・スネール(レッド・ラムショーン)、ブラック・ラムショーン、オーストラリアン・レッド・スネール、リムネア(ものあら貝)について解説。

 第5節 熱帯魚の繁殖と重要魚種の説明
  1,胎生魚
   胎生メダカ科
  2,卵生魚
   (1)、卵を産み放す仲間
     カラシン科、コイ科、卵生メダカ科
   (2)、卵と稚魚を保護する習性をもつもの
     シクリッド科、闘魚科

 第6節 餌料特に仔魚の餌料について
 第7節 病気について

この本ついてはこれで終了です。

2008年6月26日 (木)

「金魚の飼い方」 中村中六 その5

第8章 趣味の会と金魚の観賞

  • 各地に金魚の会がある。
    東京では明治17年頃よりこの種の集まりがあり、明治33年観魚会という会になって以来60余年続いている。
    東海地方では明治45年に愛友舎という名で始まり大正始めに愛友会となり、その後名古屋を中心とする金魚文化連合会、三河を中心とする東海愛錦会がある。
    大阪には錦蘭会、郡山には錦寿会がある。

 第1節 ランチューの見所
  1,頭(かしら)

  • 吻長即ち眼先が長く、頭の巾が横に広いのが良い。肉瘤は万遍なく十分よく出たものは「獅子頭」と呼ばれる。
    頭頂に高く盛り上がったものは「兜巾頭(ときんがしら)」、眼の下の頬肉と鰓蓋部に著しく発達したものは「おかめ」、鰓蓋に特に多くつくものを「髭張り」、吻端両側に角の様に出たものを「龍頭(たつがしら)」と呼ぶ。

  2,背と尾筒(背成り)

  • 胴の部分の背面が広く平らで尾筒に至る巾広く太くいかにも力強いものが良い。
    ※腰高、雁首、背だるみ、しゃくれ、とめ瘤というような用語解説とイラストが載っています。

  3,腹

  • 腹の形は上から見て将棋の駒のように安定感のあるものが良い。

  4,尾

  • 尾鰭は左右相称が第一である。片張り、片落ち、付け違いはいけない
    尾肩の張り、つまり尾鰭の開き具合いである。尾肩の張りは尾皿のよく発達しているかで決まる。
    尾皿というのは尾鰭の基部にぐるっと取り巻いている鱗の群を言う。
    ※しやらい、まくれ、びりという用語と解説有り。
    尾芯について突込み、さし、袋尾、つまみ尾、えび、いかりという用語解説とイラスト有り。

  5,その他の鰭

  • 臀鰭は揖鰭(かじ)といわれ、それ程やかましくない。きれいに揃ったものは少ない。胸鰭、腹鰭は問題になる事は少ない。

  6,姿勢

  • 静止している時は左右どちらにも傾かず、頭部を僅かに下げているのが良い。
    金魚の鑑賞はその泳ぎ出し大事とされ、静かに滑り出す所が良い。

 第2節 地錦の見所
  1,六鱗の体色

  • 口の周りと5カ所の鰭全部が赤でそれ以外白、それに鰓蓋の縁りに僅かに赤が弧状に残るのが最も良い。これは人工調色で作る。
    昔は側線より下は赤、所謂「背抜け更紗」が普通であった。また、鰓蓋の部分を赤く残したものは「奴」、「両奴」といわれ以前は標準であった。
    背鰭は基部の方は白く洗っても先が赤ければいい。

    調色は水温が低い時に行う。1~2日絶食後に行う。褪色が半分に達したときに行う。終了したら別の容器に蓋入れ温度が上がらないよう、また安静にするため蓋をする。
    鰭が赤く変わり、体の鱗が再生して段々白くなってくるまでには10日乃至2週間ぐらいかかる。

  2,尾

  • 尾鰭は孔雀尾で短くて先端が丸味を帯びた4片が体軸に略垂直について、後ろから見ると見事にX字状をして、その中心部から下に盤状をした尾皿の一群の小鱗が見られる。
    孔雀尾は遺伝である。

    尾芯を段々持ち上げると同時に上の割れ目が広がるので、左右の上下両葉はどちらも垂直に立ちようになる。これを「ひきを立てる」と言う。
    左右の上葉の割れ目の形によって区別すると笹破型将棋頭型に分けられる。
    さらに泳ぐときはこれがなびいて左右の下葉の先端が軽くふれ合う、これを「はふが合う」と言うが、その点が大事である。
    普通の四つ尾の様に伏せているものは「蠅たたき」と呼ばれ悪い例である。

  3,体付き

  • 寸がつまって太い感じが良い。今では丸い地錦は見られず、長手に変わっている。
    背中の曲線は浅い櫛の背型が良い。飼うときの水深と関係があるらしい

  4,尾鰭

  • 地錦では揖鰭はやかましい。1枚は駄目で2枚鰭がきれいに平行しているのが好い。

  5,鰓蓋

  • 良くしまっていなければいけない。深い水で飼うと鰓蓋の上部が空いて見苦しくなる。

 第3節 その他の金魚の見所
  オランダシシガシラ

  • 必ず四つ尾でなければいけない。肉瘤は所謂兜巾頭である。

  東錦

  • 体色の雑色の美しさが見所であって藍の勝ったものが喜ばれ、赤の多いものは好ましくない。

  琉錦

  • 背が高く、腹部の膨らみが十分あって、尾鰭が長く柔らかである事が必要。色は更紗が一番で次に赤、白はいけない。

  出目金

  • 眼が左右不相称のものはいけない。

  朱文金

  • 尾が長い程喜ばれ、色は赤、黄、青、白が平均して分布しているものが好く、黄色の多い者は好くない。

2008年6月24日 (火)

「金魚の飼い方」 中村中六 その4

第5章 餌について
 第1節 生餌
  1,ミヂンコ(ミジンコ)

  • ツムシとも呼ばれる。ミヂンコには多種あるが重要なものはタマミヂンコである。母体をはなれたばかりの仔虫は0.3~0.4mmである。

  2,赤ボーフラ
  3,イトメ

 第2節 人工飼料

第6章 金魚の取扱方、輸送方法

  • 遠く他の土地へ輸送したりするには次の2点に注意する。
    第一に水温の高い時を避ける。秋の終わりから早春までがよく、曇った日の早朝がいい。
    第二に事前に絶食させておくこと。
    金魚を手で持つ場合は頭を掌でかぶせ胴の方を指で軽く包んですぐに仰向けにして支える

第7章 金魚の病気とその手当
 第1節 魚病を予防する為の注意

  • 体に故障がある出来ると、食欲がなくなり群を離れて水面にぽっかりと浮かんだり或いは一匹だけ水底に静止している。また、尾鰭のもとの方に血筋が見えるのも病気の証拠である。糞が白い時も普通でない。病魚は先ず絶食にして安静にするのが常法である。

 第2節 魚病の種類とその手当
  1,白点病

  • 春は段々水温が高まるので治し易いが、秋より冬にかけてのものは中々治療が困難。
    水温25度以上にし0.5%食塩水の中に金魚を飼って気長に治療する。硫酸キニーネやメチレンブルーも用いる方法もある。特に前者は有効。

  2,テフ

  • 一般にと呼ばれるもので、危害の多いのは6月と9月頃である。
    手当としてはピンセットで落とす、氷を浮かべた冷水、2%の食塩水、薄く除虫菊粉末をといた水に短時間金魚を浸ける、テレビン油でふく等の方法がある。

  3,イカリ虫

  • 病魚を捕らえて抜き取る。

  4,鰓腐病

  • 梅雨頃より夏に向かって当才魚の褪色前後のものがかかり易い。
    鰓蓋がふくれ上がるので「頬はれ病」と業者は呼んでいる。2%の食塩水に水浴させるのも一法だが効果は不明。

  5,水生菌病(綿かぶり)

  • 過マンガン酸加里(カリ)を10万分の1に溶かした水中か2%    食塩水に水浴させる事によって効果が見られることがある。

  6,マツカサ病

  • 対処法無し。隔離する。

  7,赤斑病

  • 清水に移すより方法がない。

  8,感冒

  • 体表面の粘液分泌が甚だしく、不透明の白い膜のようになる。
    梅雨の時分に多い。軽いときは水温の変化のない清水に置くことで治る。

  9,ガス病(気泡病)

  • 水中に溶けた酸素ガスの過飽和が甚だしい時、鰭の末端などの毛細血管につまって丁度火膨れのようになり、金魚は水面に浮き、鰭は破れる。
    水中に繁殖した藍藻や緑藻が濃い場合に夏の太陽直射を受けた時等に発生しやすい。
    低水温に移せば快復する。

2008年6月23日 (月)

「金魚の飼い方」 中村中六 その3

第4章 金魚の飼い方
 第1節 金魚飼うに当たって必要な基礎知識
  1,水温

  • 温水性魚類は15度位を越えて初めて活発に新陳代謝が行われる様になる。夏期の高水温が及ぼす影響については、コイ、フナの実験では食欲に影響があるのは35、6度以上で、死に至るのは40度近くになってからであるから、金魚も大体これに近い。
    低温については氷の下でも死ぬようなことはない。

  2,酸素

  • 養魚池について水中酸素量の日変化を測定した記録によると酸素量の最高は午後2~4時の間であり、最低は午前4~6時の間にある。

  3,水中の植物

  • ヨシガマなどの水辺植物またはハス、コウホネなどの挺水食物は風邪を遮り水中酸素の増加にならず、魚の運動を困難にし益はない。
    エビモ、マツモなどの沈水植物は益もあるが、アオコの繁殖が見られない。

    ヒツジグサ等の浮葉植物は水面にかげを作り水温上昇を妨げる。
    水底や石に付着する着生植物は金魚にとっての天然飼料として価値がある。

    プランクトン性の植物はアオコよ呼ばれるが、魚の環境要因の一部としても天然飼料の始源となる点でも重要である。

  4,水面の広狭

 第2節 営利的な金魚の飼い方
  1,経営の規模
  2,池
  3,用水
  4,泥池に於ける採卵
  5,稚魚の泥池への放養
  6,放養数量
  7,人工飼料の投与
  8,成長度
  9,水の出来具合
  10,選別と魚の取揚
  11,冬囲
  12,害敵に対する注意

 第3節 叩き池で高級な金魚を飼う場合
  1,場所の選定
  2,池の作り方
  3,池の附属用品
  4,用水
  5,放養尾数
  6,餌とその与え方
  7,水替え
  8,冬囲い、夏の日除け

 第4節 家庭で小容器に金魚を飼う場合
  1,器の選択
  2,入れる魚の大きさと数
  3,餌の与え方
  4,水の替え方
  5,器につく苔や水草の事
  6,其の他
  7,金魚を買う時の注意

2008年6月20日 (金)

「金魚の飼い方」 中村中六 その2

第2章 金魚の品種
 1,和金

  • 大和とも言われ、白は低級品とされる。
    琉金との中間種で体型は和金、鰭は琉金に似て尾が長いものは和唐内又は和流と呼ばれる。
    更に背鰭のないものは金襴子(らんは金偏)と呼ばれる。

 2,琉金

  • フナ尾のものは吹き流しと呼ばれる。

 3,ランチュー

  • 大阪ランチューは頭部に肉瘤が出ず、尾も三つ尾の平付けである。
    なんきんは島根県だけで飼育されるが、肉瘤がなく更紗で六鱗が標準とされる。

 4,出目金

  • 明治28年に広東より輸入されたものと言われている。
    眼球の突出は孵化後1~2ヶ月より次第に始まる。
    赤出目金、黒出目金、三色出目金

 5,地錦

  • 愛知県下で飼育されている金魚で六鱗、地王、孔雀とも言われる。

 6,頂天眼

  • 明治35年頃中国より輸入されたが全滅し、その後再三輸入されている。

 7,オランダシシガシラ

  • 肉瘤は頭頂に厚く両頬に少ない。所謂兜巾頭(ときんがしら)である。
    本種に似て鼻孔褶(しゅう)が特別に肥大した「はなふさ」という金魚が50~60年前に伊勢地方にあったと言われるが、現今不明である。

 8,秋錦

  • ランチューとオランダシシガシラとの交配によって秋山吉五郎氏が作出した。
    青森地方にこれに似た津軽錦と呼ばれる品種がある。

 9,東錦

  • 三色出目金とオランダシシガシラの交配によって出来たもので、もとは「キャリコおらんだ」とも言われた。

 10,朱文金

  • 秋山吉五郎氏が三色出目金とフナ尾の和金及びヒブナとの3種を混合、自由交配させて得たものの内で、モザイク鱗性、雑色でフナ尾が長いものに命名された。

第3章 金魚の繁殖と採卵の仕方
 第1節 親魚と卵
  1,親魚
   雌は3才以上5才位、雄はそれより1年位若いもの
  2,産卵期
   春で水温18~20度位が最適。
  3,金魚の雌雄差

  • 雌の生殖口は円形に近くてやや突出しているが、雄はやや長く楕円形である。また、雄には追星が出る。

  4,産卵数
   数百乃至五千粒位までである。
  5,卵の大きさ、孵化日数

  •  直径0.7mm前後である。
    松井氏(佳一のことか)が恒温槽を用いて実験した。
    9.8度→孵化セズ、12.5度→14.5日、14度→10日、17度→7日、19度→5日、21度→4日、24度→3.2日、25度→3日、27度→36日、30度→2日

 第2節 採卵の準備と産卵
  1,親魚の飼育

  • 雌雄別々に飼っておく。その時他の品種と混養しないことが必要。

  2,前日の準備、特に魚巣について

  • 新しい温い水をはって魚巣を入れ、雌1尾に対し雄2~3尾の割りで放養する。
    魚巣は水面少し下に垂れる様ににする。これを縦巣と呼ぶ。卵が散らばるので無駄にしないよう縦巣の下に池面に平らに並べる魚巣を敷巣という。

  3,産卵及びその後の処置

  • 大抵、組み合わせた翌日の午前中に産卵する。産卵池は汚れるので魚巣を他へ移す方がいい。

  4,孵化と最初の餌付け

  • 水温の変化をなるべく防ぐ。孵化後2~3日すると突発的に泳ぎ出ては他の所へ落ちつくという動作をし、段々水中を泳ぐことが多くなる。これを「腰をきる」と言う。
    最初の餌としてミジンコの篩ったものを与える。篩わないと大小不揃いになる。

2008年6月19日 (木)

「金魚の飼い方」附熱帯魚の飼い方 中村中六 泰文館 昭和30年

「金魚の飼い方」附熱帯魚の飼い方 中村中六 泰文館 昭和30年5月18日発行 200円 219ページ B6版

 著者は当時東京大学助教授で附属の水産実験所勤務だったとの事です。
 この本の特徴は、字が大きくて読みやすいです。また、金魚だけでなく熱帯魚についても併記されていることだと思います。因みに158ページから219ページまでが熱帯魚の飼い方となっています。
 また、目次の最後に本文中で使用した図と表の一覧ページを載せているのが親切です。ただ紙質が悪いのが難点かな。

構成


目次
本文
 第1章 金魚の外形上特徴となる諸点の説明
 第2章 金魚の品種
 第3章 金魚の繁殖と採卵の仕方
 第4章 金魚の飼い方
 第5章 餌について
 第6章 金魚の取扱い方、輸送方法
 第7章 金魚の病気とその手当
 第8章 趣味の会と金魚の観賞
 第9章 金魚の輸出について
 附 熱帯魚の飼い方

序 ※要約です。
 金魚を身近に置いて朝夕眺めて楽しむ事の出来るのは平和な時代に生きえる者の特権の一つと言える。(※戦時中の状況からということ)
 さて、金魚を飼ってみて永いことうまく飼いあげる人がどの位いるであろうか。
 金魚を飼いたくても適当な参考書がないという事はまことに惜しいと思うので、乞われるままに本書を執筆した次第である。

本文 ※自分のメモ書き程度に抜粋です。

第1章 金魚の外形上特徴となる諸点の説明
 第1節 各部の名称

  • 図で各鰭の名称、長さの取り方を説明。
    品種によって大体その形は定まっている。その体形は体長と体高の比で正確に表されるもので、和金では2.1~2.7位、琉金では1.3~1.8位である。

 第2節 鰭

  • 背鰭 ランチュー(ランチュウ)より採卵した仔に背鰭が現れる率は、昭和の初め頃で40%ぐらいと言われていたが、今では一腹の中に数十尾程度のようである。
    地錦では第一条の先端が洗われていない(赤く残っている)事が必須条件とされる。
  • 臀鰭 臀鰭は楫鰭(かじびれ)とも言われる。これが尾鰭より外にのぞいているのは出楫と言って見苦しい。

 第3節 鱗と体色

  • 黒色素細胞、黄色素細胞、紅色素細胞の分布により特有の色を呈する。グアニンを多く含んだ虹彩細胞によって鱗は不透明となり、金属光沢を発する。透明鱗はこれが欠乏している。ほんの少し有るものを網透明鱗という。

    尾鰭の先まで全部赤いものは特に「猩々」、赤白斑は「更紗」、鱗の基部が赤で縁が白の場合は「小豆更紗」と呼ばれる。

    各部位の色合いでは、口辺と各鰭を赤く残したものは「六鱗」、尾鰭のもとに三つの赤斑があると「三つ星」、頭部の全部赤いものは「面被り」、頭部に白い部分があるものを「まど」、左右の鰓蓋だけ赤いものを「両奴」、目縁の赤いものを「目赤」と言う。

 第4節 褪色現象

  • フナ色から赤に変わる現象で、一般に「はげ」と呼ばれる。
    一度出た赤味が消えて白くなることを「洗う」と言う。
    褪色前に黒い水槽で飼うと赤になり易く、白い水槽では白くなり易いことが実験で確かめられている。

 第5節 肉瘤

  • 表皮が肥厚して出来る脂肪組織である。

 第6節 人工調色

  • 地錦は所謂六鱗即ち5カ所の鰭と口の周りだけ残し、他の部分を白くする。
    褪色現象中に鱗を取り、再生を待って白くする方法と酒石酸、酢酸、サルチル酸、梅干し肉等の弱酸で色素胞を壊す方法がある。

---メモ---
西暦1955年=昭和30年
関連本

2008年6月18日 (水)

「熱帯魚」 雨宮育作監修 その6

本文のつづき

闘魚と半闘魚の習性と飼い方 執筆:広海貫一
 アナバンティド科(アナバテッド) 7種
  この稿はインネスの著書を多く参考にした。

  • パラダイスフィッシュ
    学名のMacropodusは大きな足(鰭)背鰭と臀鰭に関連して、opercularisは鰓蓋の上に点のある。
    1866年にカルボニエによってパリに輸入された。アメリカへはセントルイスのアドルファス・ブッシュにより1876年に移入。白変種系統は1933年にヨーロッパからアメリカに輸入された。
  • シャム闘魚(ベタ)
    学名のBettaは産地名アカン・ベッターからで、splendensは素晴らしいの意。
    1927年シャム(タイ)からサンフランシスコに輸入され、その荷受け人ロック氏は新種と考えベッタ(ベタ)・カンボジャと名付けた。
  • パール・グーラミイ(グラミー)
    ヨーロッパではモザイク・グーラミイ、英国ではレース・グーラミイと呼ばれている。
    アメリカへ輸入されたのは1933年である。

コラム
天然記念物になった魚 執筆:皿井長四郎

  • 鉄魚、緋ブナ、イトヨ、アラレガコ、ナメクジウオ、魚ではないがオオサンショウウオ、カブトガニ、カワシンジュガイ、植物ではマリモ、ヒカリモ、オニバス、ミズスギゴケ、ムジナモ。これらの指定地域以外の生息地も列記している。

副業としての熱帯魚 執筆:鈴木吉五郎

  • 著者は戦前、淡水魚、海水魚の仕事をしていたが、全部軍部に供出させられ、又、品種の保存だけを条件としていたと述べています。

 副業に向く魚は何か

  • エンゼルフィッシュ、スマトラ、ラスボラ・ヘテロモルファは間で完全に成功したとは言いかねているが、苦心して成功したらたいしたものである。

 海外へのかけ口は

  • 米国は大量生産で、我が豆粒にも及ばないものとでは問題にされない。内地関係では1/4~1/5ならよい方である。

 副業投資の一つの型をだしてみると

  • 1坪の温室 25000円、容器20000円、燃料12000円、エンゼルの子30000円を投資して1年後、1匹50円の卸として3000~4000匹得ても150000~200000円になり、この辺の計算なら困難でないはず。因みに昨年の卸値は75~120円

 副業として始める時のポイント
  地道なものを選ぶ
  飼育技術を身につける
  生餌の確保
  壊れた物は自分で
  業者と契約
  種類は少なく
  業者は近くで
  生産は2月から7月まで
  海外輸出可能の魚も対象に
  品種の選別

コラム
 柳家金語楼インタビュー記事

マウス・ブリーダーの飼い方とその習性 執筆:広海貫一
 Haplochromisは純クローム化物、multicolorは多彩なと言う意。
 女として恥ずかしい大口
  口中に含まれる期間は15日。幼魚は11日目に出てくる。

 網で掬われても口を開けない
 母の口は安全地帯
  4~5日口から出たり入ったりするが、その後入らなくなる。

 他の種類

  •  ティラピア・マクロウセファラ(Tirapia macrocephala)、ティラピア・モッサンビカ(モザンビカ Tirapia・mossanbiea)がいる。

熱帯魚の繁殖のさせ方 執筆:広海貫一
 熱帯魚の繁殖の意義
 繁殖の準備
  繁殖用器具
  繁殖用水草その他
  繁殖用の水
 繁殖用種親の作り方
 種親の扱い方
 繁殖のさせ方

コラム
 変わったトゲ魚の話 執筆:牧野信司

海の魚の飼い方 執筆:皿井長四郎

コラム
 川の魚も楽しく飼える 執筆:皿井長四郎

熱帯魚飼育相談室 執筆:牧野信司
 Q&A形式です。

コラム
 初めて成功したネオンテトラの孵化

魚と水草器具の値段表 三越熱帯魚売り場調べ
 少し抜粋してみますと

  • ネオンテトラ 400円、レッド・ノーズ 3000円、ナノストマス・マジナータス 3000円、ゼブラダニオ 150円、ヘテロモルファ 500円、アカヒレ 150円、グッピー 一般種30円 高級種500円以上、レッド・ソード 250円、ベタ普通1000円 高級種2000円以上、エンゼル・フィッシュ 500円
  • 水槽2*1:1尺 3000~5500円、フィルター水中式 350円、エアーポンプ 1100~2600円、サーモ 850~1800円
  • サジタリア 20円、アマゾン・ソード 大1000円、クリプトコライン・アンダルタン 500円

以上でこの本の紹介は終わりです。

2008年6月16日 (月)

「熱帯魚」 雨宮育作監修 その5

※ここからは各魚の説明です。面白い或いは特色のある説明だけ書いておきます。

熱帯魚の種類と習性

  • 説明中には雌雄の判別法と産卵について書いてある。また、白黒ですが写真も結構あります。

卵生する種類 26種 執筆:竹腰宏、石川貞二

  • ネオン・テトラ
    繁殖は昭和29年の正月に大阪の辻本氏が初めて成功した。※牧野信司が世界で初めてと言う記述をよく見かけるが、どっちが本当なのか。
  • ナノストマス・アノマルス
    anomalusはラテン語の変態(abnomal)の意味で、カラシン科の特徴である脂鰭を持たないためである。
  • プルッカーのことをラスボラ・テトラと呼んでいる。

鯉科 20種

  • バルブス・オリゴレピス
    オリゴレピスとは鱗が少ないという意味のラテン語である。
  • ガーネット Aphyocyprinus sp
    初めて輸入されたときはラスボラ・バンコックと言う名が付いてきた。しかし最近ラスボラではなくアフィオシプリナス属に入れられている。種名は明らかでない。
    雄は体に金色に近い茶色の線が入り非常に美しい。
  • ブラック・シャーク
    この魚が初めて発見されたときは、アメリカで1000ドル(36万円)したそうである。

卵生目高科 11種

シクリッド科 14種

  • ディスカス
    完全な番は1000ドルとも言われている。
  • アピストグラーマ(アピストグラマ)
    現在飼育されているのは、ラメリザイ(ラミレジィ)、アガシザイ(アガシジー)、パーテンス(ペルテンシス)、U2である。

その他の熱帯魚 21種

  • トーキング・キャットフィッシュ
    胸鰭が特に発達していて、これで餌を引き裂いて食べるらしい。※すごい事言ってますが写真はちゃんと載っています。
  • コリドラス かっこ内は今風に
    現在我が国には10種類くらいのコリドラスがきている。エーニュス(エネウス)、arcuaus(アークアタス)、sabauti(ラバウティの間違いか、アークアタスに似ているが黒い線は背中から尾部まで通っている)、hastotus(ハステータス)、julii(ジュリー、レオパード・コリドラスと呼ばれている)、melanistius(メラニスティウス)、paleatus(パレアタス)、punctius(プンクタータス)
  • ロリカリア・パルバ
    鰐に似ているのでアリゲーターフィッシュとも言われている。

胎生する種類 8種 執筆:藤井安雄(東京水族館)

  • グッピー 説明に1ページ半ぐらい紙面を取っています。
    雄は美しい斑紋や尾ヒレの変形があり、いわゆる単性多型の一つで、シュミット(Schmidt)やウインゲ(Winge)の遺伝研究に用いられて有名である。

    「グッピーも将来らんちゅうのようにグッピーだけの品評会もできることであろう」と言ってます。また、グッピー以外ではベタくらいであるとも言っている。この人はスゴイですね。

    現在の鰭の形でも、ベールテールグッピー、ソードテールグッピー、ファンテールグッピー、ライアテールグッピーなどと名付けられている。また、ゴールドグッピーといわれるのがある。
  • ワグテール・プラティ
    これは戦前にはなかった品種で、マイロン・ゴルドン博士(Dr.Myron gordon)が原種のプラティの交配によって黄色のものを作り固定した。
  • ブラック・プラティ
    全体が真っ黒ではなく、腹から尾の部分までがゴマを撒いたようになっている。背は灰褐色。
    このブラック・プラティの背や頭の部分の地色が赤や黄に変化したものを固定させたものにヘルメット・プラティとタキシード・プラティがある。
  • ベリアタス(バリアタス)
    雄の体色には2系統ある。ひとつは、側面・背鰭は黄色で尾鰭は黄赤色、他系統は体側に青色を混え、背鰭は黄色で尾鰭は濃赤色である。
  • ソードテール
    若いときははじめは雌雄比が75対25であるが、成長後にこの比が反対に25対75になる。

    エッセンベルグの研究によると、本来の雌雄の比は75%対25%であって、その75%中の25%は正常に雌として発育するが、残りの50%は発育途中で卵巣が退化し雄になる。

    ソードテールは大正5年に、金魚の育種で有名な東京の秋山吉五郎氏が初めて輸入された物で、これが日本で淡水産熱帯魚の輸入し鑑賞した最初のものである。
  • レッド・ソードテール
    1922年ニューヨークのシルバー氏がレッド・プラティと原種のブルー・ソードテールとを交配して出来た。現在多く見られる美しい朱紅色のものは1930年頃に前のとは別に変異から生じたものと言われている。

「熱帯魚」 雨宮育作監修 その4

餌の種類と上手な与え方 執筆:石川貞二
 餌は与え過ぎないように
 粉餌の作り方と与え方
  魚粉     10匁 何でも良い
  乾燥エビ   10匁 桜エビ等
  レバー    10匁 牛又豚
  卵       1個
  メリケン粉  10匁
  食塩  茶匙軽く1杯
  レタスの葉

 生餌の種類と与え方

  •  イトメやボーフラをデパートで売っている例は少ないが、釣道具店にはたいていサシや赤ムシが売っている。

  (a)イトミミズ又はイトメ
  (b)ボーフラ
   最近DDTがあちこち撒かれるのでボーフラも少なくなってきた。
  (c)赤ボーフラ
  (d)ミジンコ
  (e)ホワイト・ウォーム(※ワーム)

  • 昔日本でも割合重宝がられた。夏には弱いので秋に種を仕入れて冬の間餌にする。
    細菌が寄生しているので、1時間以上清水の中に入れてきれいにしてから与える。

  (f)ブラインシュリンプ
  (g)ミクロ・ウォーム(※マイクロ・ワーム)

  • 1938年にスウェーデンの愛好家によって発見され、1946年に同じくスウェーデンのモルトン・グリンダ氏が広く公開した。

水草の種類とその培養 執筆:鈴木吉五郎
 水草の効用
 どんな水草を用いるか
  1,水中種
  2,浮遊種
 沈水固定種
  ここではクリプトコラインではなくクリプトコリネと表現している。
 浮遊種

コラム
 魚の切手 1951年モザンビーク発行の海水魚

貝類の飼い方と殖やし方 執筆:石川貞二
 スネイルは掃除夫ではない
 熱帯魚はスネイルを殺す
 水質の悪変を知るのに利用できる
 殻の腐蝕とその対策
 水槽内に入れる適当な数は?
 種類とその特性
  マルタニシ
  レッド・ラムション・スネール(レッドラムズホーン)

  • 原産はドイツとイギリスである。アメリカには1915年にコペンハーゲン・スネイルと言う名前で輸入されている。戦前日本でもこの名で呼ばれていた。普通2年間生きる。

  オーストレーリアン・レッド・スネイル

アクアリウムの女王 エンゼルフィッシュ 執筆:広海貫一

  • 学名のPterophyllumは飛翔する葉、eimekeiは輸入者のEimekeの名から来ている。
    真のテロフィルム・スカラレ(Lichtenstein リヒテンシュタイン)は滅多に見られない。

 産卵習性
 子魚を何時分離するか
 エンゼルの特性
 エンゼルにおける性

コラム
 魚の中でのごろつき 執筆:雨宮育作
  水族館で雷魚が、違う水槽に移った。
 アルビノ 白子 執筆:皿井長四郎
  パラダイス・フィッシュ
-----メモ-----
1[匁](もんめ) = 1/1000[貫]= 3.75[g]

2008年6月14日 (土)

「熱帯魚」 雨宮育作監修 その3

本文
アクアリウムの歴史とその流行 執筆:雨宮育作

  • 人間自然の要求
    誰でも珍しいものを欲しがり、美しいものを喜ぶのは人間の通有性だと言っています。
  • 西洋でのおこり
    ベスピアス火山の噴火により埋められたポンペイには石で作られた水槽があった。
  • 東洋でのおこり
    春秋戦国時代の昔、越王勾賤に仕えた陶朱公は魚の飼い方の本を著している。
    中国南部温暖地方でで所産された金魚は文亀2年(1502年)に泉州堺港に持ち来たとされている。
  • 南から北へ
    18世紀以降の航海時代に欧州にもたらされ、英国では1760年代にはガラス水槽に金魚を入れて楽しむことが流行した。
  • 日本への渡来
    大正時代後半に西洋でもアメリカでも熱帯魚が流行した。日本でもそれと相前後し、あるいはやや遅れて熱帯魚飼育が流行しだした。
    大正の終わり、昭和初年頃に愛好家であった廣瀬巨海氏は外国から多数種を取り寄せた。
  • 利用とその効用
    熱帯魚は民衆の慰安、科学教育、情操教育、に役立つばかりでなく、屋内の装飾物としても大いに利用されている。

コラム 和泉克雄氏の詩
 極楽魚(パラダイスフィッシュ))の失楽歌

初めて熱帯魚を飼う人のために 執筆:牧野信司
 熱帯魚を飼うに当たって
 どんな魚から飼い始めたらよいか
 水槽の種類と大きさ

  •  「アメリカではステンレスを使用しているようだが」と言っているので日本ではまだ鉄枠の時代。
    当時は1尺3寸*1尺*8寸と2尺*1尺*1尺が一般的だったらしい。

 砂は1分か2分目がよい
 水は
 水草は
  水草の働き
  水草の種類と植え方

 魚と水槽の収容力 水槽の大きさと魚の数の表がある
 照明のとり方
 魚の選び方と運び方

 魚を入れる時の注意
 魚と水温
 保温の仕方

水の温度と日常管理 執筆:石川貞二
 管理の要点は愛情第一
 バランストアクアリウム
 水温は急変しないこと
 水の緑変とその対策
 水の白く濁るのは
 水の取替は何日位で
 ガラスのコケの除く方

  • 茶色のコケが付いた水槽と緑色のコケ付いた水槽の両方をコケ落としした水を混ぜると、両方ともきれいになる。これは茶色と緑色のコケが共存できないからである。

 魚を新しく増やす時の注意
 水槽の蓋はぜひ欲しい
 毎日気をつけて見る点

コラム
 水道水とハイポ 執筆:藤井安雄

  • 2Na(2)S(2)O(3)+Cl(2)=Na(2)S(4)O(6)+2NaCl ※カッコ書き数字は下付数字
    この式で計算すると1リットル当たり1mgのクロールガスを含む水道水には4.5mgのハイポを入れればよいことになる。

 海の魚の淡水馴化 執筆:皿井長四郎

害虫の種類とその対策 執筆:石川貞二
 ゲンゴロウの幼虫
 トンボの幼虫
 ヒドラ

  • 触手にある刺細胞からヒポノトキシンと呼ばれる毒を獲物に注射する。

 ゲンゴロウその他
 魚ジラミ

  • 駆除には水1ガロンに過マンガン酸カリを1グレイン1グレインは0.064g)の割合で溶かせば魚や水草に害なく駆除できる。1週間置きに繰り返す。

 イカリ虫
 幼虫時は魚ジラミと同じ方法でいい。
 プラナリヤ

  • 害はない。新しい水では餓死する。また、水1ガロンに過マンガン酸カリ8分の1グレイン入れても駆除できる。

 ヒル

  • 薬品による駆除法はないが、生肉を糸で縛り水底に沈め翌朝出すことを繰り返す。

かかりやすい病気とその手当のしかた 執筆:石川貞二
 「風邪は万病のもと」は人間だけではない
 白点病

  • マーキュロクローム(赤チン)は水1ガロンにつき、2%溶液を4滴割合で入れる。分量が多いいと内臓が害される。
    メチレンブルーは水草に害がある。5%溶液を1ガロンにつき2滴の割合で入れる。
    硫酸キニーネは1ガロンにつき1/2グレインの割で使用する。水草にも害がない。
    キニーネは少量の水でこね合わせ糊状にし、温湯を加え良くかき混ぜ水槽に入れる。2日目くらいに水が白く濁る場合もあるが、そのままにしておく。

 マウスファンガス

  • 治療法がわかっていない伝染率が早い病気で、病魚を隔離し1日1回オキシフル原液で口をふく。

 ドロプシイ(マツカサ病) 治療法無し
 ギロダクチラス病

  • 1/500の氷醋酸溶液に1日1回20秒浴させるか、または1ガロンの水にホルマリン20滴を垂らし、その中に魚を1日1回5~10秒入れる。

 衰弱と処置

  • 原因が分からない場合は塩水がいい。最初は1ガロンにつき茶匙2杯塩水、翌日塩分を2倍にする。それでも変化がなければ3倍(茶匙6杯)にする。

 エンゼルフィッシュのニキビ
  水を全部取り替えると治ることが多い。

2008年6月13日 (金)

「熱帯魚」 雨宮育作監修 その2

口絵
魚の外形と内蔵 イラスト
混泳写真(カラー)

  • ラスボラ・バンコックなる魚がいます。ブラックラインの入った魚です。

イラストで熱帯魚を紹介 35種 ※結構きれいです。
混泳写真(カラー)
浅草かみなりおこし総本店ないの水槽写真(白黒)

カラシン科の魚(白黒) 10種

  • クセノブリコン・スピルラ(クテノブリコン?)はシルバー・テトラかな。

鯉科の魚たち(白黒) 10種
卵生目高科の魚類(白黒) 4種

  • 好きなダゲッティーが載っている。だけど名前はパンチャックス・チャッペリーとなっています。

シクリッドの魚類(白黒) 12種 2ページ

  • 謎のシクラソーマ・カッテライの写真がある。説明では目がエメラルド状に緑青色に光る。ホンジュラス産の魚で全長8cm。

胎生する魚のいろいろ(白黒) 7種
 グッピーは殆ど原種ですね。
アーチャー・フィッシュが水上のくもを狙っている写真(白黒)
その他の科の魚(白黒) 10種

ベタの産卵写真(白黒)
グーラミーのいろいろ(白黒) 5種
エンゼルフィッシュの誕生(白黒) 産卵、孵化、成長段階
水草のいろいろ(白黒) 10種
 ここでもクリプトはアマノ風にキリプトコラインです。

展覧会を見る(白黒)
 昭和28年5月 日本橋三越本店
 昭和29年7月 品川京浜デパート

プロ訪問 温室の内部を見る(白黒)
 広海貫一氏の緑鱗荘(本人も写っている)
 フリスコ熱帯魚研究所と石川貞二
 日本熱帯魚研究所と牧野信司
 竹腰宏氏の東京水族館
 江ノ島水族館

いろいろな利用の仕方(白黒)

  •  喫茶店、病院、寿司屋、レストラン、個人宅の水槽設置写真
     個人宅では落語家の柳家金語楼さんが水槽の前でポーズをしている写真がある。
     金語楼さんは当時、相当数の水槽と熱帯魚を飼っていたようです。

世界のアクアリウム(白黒)
 アメリカアクアリウム協会により提供されたメダル
 フィラデルフィアの園芸会館で開かれた熱帯魚展
 パキスタンアクアリウム博覧会
 大仕掛けな熱帯魚広告(巨大な看板)

※ここから口絵でも本文に近い愛用
小型熱帯魚飼育温室の設計と建設 執筆:牧野信司

  • イラストと図面を使い12の行程で分かり易く説明している。 
    掘削、コンクリート基礎、土台の材木、アンカーボルト、水槽の棚、入り口戸の寸法、二重戸の付け方、ビニールの張り方。
    本格的な温室の構造を3つイラストで紹介し解説。

保温ケースの作り方と注意点 執筆:牧野信司

  • イラストと図面を使い解説。例として幅4尺6寸、高さ5尺7寸の保温ケースを紹介している。この大きさだと標準の2尺*1尺*1尺の水槽が6本置ける。因みに板厚は3寸となっています。

飼育設備と器具のいろいろ 執筆:牧野信司

  • 写真とイラストで紹介している。今まで本で紹介されていなかった上部フィルターの写真が載っている。角に載せるタイプのもので、この後に発売されたサイレントに近い物か。
    他にイラストだがPH電流計測定器なんていうのも紹介している。

小型温室の暖房について 執筆:牧野信司

  • 温水暖房についてよく説明されている。(特に園芸温室で使われるコンベクター方式
     小型温室暖房燃料長短表は前に紹介した「「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 六月社 昭和33年と同じものが使われている。藤本氏が許可を得て使用したのか、なにか別の資料があり牧野氏共々、当時の執筆者たちがこの表を利用したのかわからない。

サーモスタットの取扱いと注意 執筆:牧野信司

  • バイメタル式サーモスタットの注意点をイラストを使い説明。
    以前わからなかった外部調節式と内部調節式の違いがこのイラストで理解できた。
    電子サーモが発売される直前のサーモは調節つまみがガラス管の外に出ていたが、もっと以前のサーモはガラス管内に調節つまみが収まっていたらしい。
    また、当時は「保温器」と称しサーモとヒーターが5cmぐらい離れて平行にブリッチで固定されている一つの製品が主だったようだ。

水槽内の装飾と配置の工夫 執筆:牧野信司

  • イラストと写真(江ノ島水族館提供)で解説
    例1 日本的な味を生かした方法
    例2 西洋的な味を生かした方法
     石で分けた所に水草植え、その他に白砂を使ってアマノ風です。
    例3 岩を用いて渋い味を生かした方法
    例4 岩を用いて幻想的な感じを出した方法
     これも岩と背の低い水草をつかうところがアマノ風です。
    例5 草だけを用いた方法
    例6 1個の水槽にしきりを入れて分ける方法
    装飾用玩具のいろいろ

餌のとり方 執筆:石川貞二

  • イトミミズのとり方、ミジンコのとり方、赤ボウフラのとり方を写真とイラストを使い解説。

2008年6月12日 (木)

「熱帯魚」 雨宮育作監修 誠文堂新光社 昭和29年

「熱帯魚」 飼い方の手引き 雨宮育作監修 誠文堂新光社 農耕と園芸編集部 昭和29年12月1日発行 定価500円 145ページ 186*180 園芸手帖シリーズ(7)

 数少ない昭和20年代発行の熱帯魚飼育書で、手元のは昭和39年6月30日 第8版発行ですが、こんなに重版ながらも古書界では何故か出てこない本です。

 この本のすごいところは、監修の雨宮育作氏だけでなく当時の熱帯魚界において一線級で活躍された方々が執筆を担当しているところにあります。

 執筆陣は牧野信司、石川貞二、鈴木吉五郎、広海貫一、竹腰宏、藤井安雄、皿井長四郎で、和泉克雄氏は詩を書いています。特にすごいのは、広海貫一氏が執筆していることだと思います。

 思想家であった広海氏が何故熱帯魚界に身を置いたかは知りませんが、氏は戦争中も熱帯魚を維持し続けた数少ない人でした。

 戦後は緑鱗荘という今で言う問屋(当時は温室)で、各デパートに熱帯魚を卸していたとの事です。後には業界紙として日本熱帯魚新聞を発行しています。
また、1968年には熱帯魚飼育本も1冊執筆しています。

 牧野信司氏については沢山の飼育書を書かれているので、みなさんもご存じかと思います。
 石川貞二はフリスコ研究所にて熱帯魚の繁殖をされていた方で、本も数冊出しています。
 鈴木吉五郎は野生ランの本を書かれている方で、この本では水草の部分も執筆しています。
 他の方たちは今わかりませんが、古いフィッシュマガジンで名を見た記憶がありますので、気が付いたら書いてみます。
 (追記)皿井長四郎氏は慈恵会医大講師(FM創刊3号 S40当時)
     竹腰宏は東京水族館(ペットマガジン27号 S43当時)

構成

目次
口絵
本文 章立てになっていない。
熱帯魚分類一覧表
熱帯魚と飼育器具価格表
この他に途中途中に囲みでコラム、トピックスがあります。

この本の構成で面白いのは、口絵の前に目次があることと、口絵が40ページ近くあり一部本文を補完しているところです。

-----メモ-----
西暦1954年=昭和29年
関連書

2008年6月11日 (水)

「いわきの淡水魚」その4

本文その3 ※保護のため詳細な河川名等はここでは書いていません。

カマツカ 扁平口で砂ごと採餌

  • 好間川、鮫川水系で確認されているが、天然分布かどうかは不確かである。
    鮫川水系で「ドガンポ」と呼ばれている魚がカマツカかもしれない。
    スナホリ、スナクジリなどという地方名もある。

ボラ 呼び名変わる出世魚

  • 成長するに従って呼び名が変わる出世魚で、東京付近ではオボコ、イナ、ボラ、トドと変化する。「トドのつまり」はここからきたとも言われている。
    夏井川、藤原川、鮫川の河口に沢山生息している。放流口に何故か良く集まる。

カムルチー(ライギョ) 貪欲な大陸産の雷魚

  • 1920年代に中国と朝鮮から奈良県に持ち込まれた。また、タイワンドジョウは1906年と1916年に台湾島から大阪府へ移入され、近畿地方に分布している。
    いわき地方に生息しているのはカムルチーである。市内の沼で繁殖している。
    筋肉中に寄生虫がいることがあるので、生で食べるときには注意する。

ニジマス 放流しても定着せず

  • いわき市に限らず日本の河川ではほとんど定着しない。原因は根こそぎ釣られる、養殖により河川に適応できない、洪水時に海まで流される、夏の水温が高い、日本の在来種と共存できない、などなどです。

ソウギョ 丹後沢にも生息?

  • 草魚は実際にヨシやマコモなどの沿岸の陸生植物を好む。
    いわき地方では釣れた事が時々話題になるが、ソウギョなのかハクレンなのかわからない。

オオクチバス(ブラックバス) 各地で在来種を食害

  • 1925年にオレゴン州から芦ノ湖に移入され、1950年後半から私的に放流された。
    いわき市内でもすでに6カ所が確認されている。いわき地方の池や沼は小面積であるため、たちまち既存の魚種を「食害」している。

ハゼ まだ不明な産卵習性

  • ハゼの大半は、「潮ざかい」と呼ばれる汽水域に住んでいる。いわき地方には代表的な種であるマハゼが、鮫川、藤原川、夏井川河口で良く釣れる。
    このほか沼でジュズカケハゼが生息している。

クチボソ コイに似た”雑魚”

  • 冬のものは佃煮にすれば食べられるが、それ以外はニワトリの餌程度と言われている。
    クチボソとは東京地方の方言で、標準和名はモツゴという。
    手近な池や沼、平野部の河川に生息しているが、ホンモロコと思われる魚種がいわき市内の河川に分布している。

ニゴイ 下流で確認

  • いわき市内では2河川で確認されている。
    4年で成魚になり、30cmぐらいになるとの事。

ワカサギ ダムなどに放流

  • ダムに放流実績があるのみで、それも最近のことではないので生息しているかわからない。
    この魚を特に取り上げたのは、最初の移植が福島県松川浦で明治41年のことだからです。
    ワカサギは若鷺の意でサギは白く清らかの古語。また「公魚」と書くのは11代将軍家斉の頃、潮来の北の麻生藩からの年貢として納められたため、公儀御用の魚の意味で造語したと言われている。

アマゴ ヤマメとうりふたつ

  • 体側に鮮明な朱赤色の斑点が散在することでヤマメと異なる。
    アマゴは琵琶湖にいるビワマスの河川型と言われている。
    いわき地方は天然分布域ではないが、鮫川水系に生息するという情報がある。ヤマメと近い仲間であるから、純粋な系譜が絶たれる恐れがある。といってもヤマメ自体放流しているので、一概に責めるわけにもいかない。

サケ 遡上確認

  • サケの仲間には、マスノスケ(キングサーモン)やギンザケ、カラフトマス、ヒメマスなどがあるが、いわき地方でとれるのはシロザケが大部分である。
    主に遡上するのは、稚魚放流を組織的・継続的に行っている鮫川、夏井川である。

以上で「いわきの淡水魚」の紹介は終了です。因みに紹介魚種は75種でした。

2008年6月10日 (火)

「いわきの淡水魚」その3

本文その2

ウナギ 賢沼のミステリー

  • 沼之内弁財天(賢沼)のオオウナギは昭和14年に「天然記念物ウナギ生息地」の指定を受けた。
    内水面漁業規則では全長21cm以上が捕獲可能としている。

オイカワ 稚アユに紛れて移入

  • 琵琶湖産稚アユに混じって、戦後爆発的に分布域を広げ定着したのでしょう。
    雄の数は意外に少なく、冬には寒バエと言って一番おいしい。

コイ 1匹で30万粒も産卵

  • 藤原川、好間川、夏井川、鮫川などに生息しているが、野生種の「マゴイ」か養殖種の「ヤマトゴイ」かわからない。前者は人になれにくく、後者は体高が高い。

ギバチ 刺して鳴く変わり者

  • 漢字では「義蜂」、地方名「ギンギョ」で鮫川、夏井川、藤原川水系に生息しているようです。

ナマズ 食物連鎖の頂点に

  • 市内の主な河川の中下流部や池沼にかなり多く分布していたが、最近少なくなった。

カジカ 迷彩で身守る底生魚

  • 河川陸封型と両側型がいる。
    主要河川の中下流域に生息しているが、砂や泥のとろにはいなくて、礫底を好む。

ヤツメウナギ 上流から姿消す

  • スナヤツメは体長20cm程度で上流部に、カワヤツメは60cmを越え中下流部に生息する。
    以前は三坂川、四時川上流で見かけたが、現在はほとんどいない。
    ビタミンAを濃厚に含み、塩干品は鳥目(夜盲症)の薬として古来用いられている。
    本来の魚(真骨類)ではなく円口類であるから”魚”ではない。

メダカ 観賞用として人気

  • 年中水が流れている平野部の水路には生息している。

イトヨ トゲを持つ希少魚

  • 降海型が昭和初期までは藤原川に生息していたという文献がある。また、半世紀ぶりに夏井川支流で捕獲された。

チチブ オスが母親役を代行

  • 鮫川下流や好間川のものはアユの放流による移入の可能性があるが、自然分布も否定できない。
    チチブと言う呼び名は高知の地方名である。

アユ 縄張りは氷期の名残り

  • 京都大学の川那部博士は「氷河期に生き延びてきた名残り」ではないかと指摘している。氷河期は餌、水コケも10分の1になるからである。
    鮫川、夏井川、大久川に生息しているが、前2河川は放流である。夏井川の上流には滝が、鮫川もダムがあるためである。

2008年6月 9日 (月)

「いわきの淡水魚」その2

本文
ヤマメ 渓流魚の女王

  • 降海型のサクラマスは見たことがないが、漁業関係者は夏井川、木戸川、鮫川で遡上するとの事。
    仁井田川は放流により天然分布が不明
    夏井川はかなり分布している
    小玉川はイワナ域と逆転している
    好間川はほぼ全域ヤマメ域
    新川は現在見かけない

イワナ 源流の「森の精」

  • 夏井川、木戸川、浅見川、大久川の各支川に分布している。鮫川水系はほぼ絶滅。降海型はアメマスと言うが、いわき市ではいない。
    分類についてもエゾイワナかニッコウイワナかわからない。

ウグイ 人間の生活域に生息

  • この魚は以外と丈夫なので、釣ってきて水槽で飼うことも可能です。
    大久川、夏井川、藤原川、鮫川、蛭田川の各水系に分布。マルタウグイもこれら河川の河口部および沿岸部に生息している。

アブラハヤ 渓流魚になれない渓流魚

  • ヤマメ釣りに貪欲に食いつき、食味もよくないため、釣り人に敬遠されている。都会の人は数が釣れ、渓流でも足場がいいので好んで釣る人もいる。背骨付近の血合い内蔵が苦い。
    分布は沿岸部の小河川を除き、ほとんどの河川の中・上流域に生息いているが、分布圏は釣る人がいないため情報不足である。

フナ属 学問上の分類混乱

  • 天然分布いているのは、キンブナ(関東地方ではマルブナ)とギンブナの2種と推定される。

ヨシノボリ 進化・分化中の底生魚

  • 平野分河川や池にごく普通に分布している。いわき地方では大部分が黄斑型ではないかと思われる。

ドジョウ 昼間は泥中に潜む

  • 他にはホトケドジョウ、シマドジョウも生息している。
    捕獲法には「ドジョウ筌(うけ)」もある。米糠とニラの葉を水で練ってだんごんにし、焼くと集魚効果がある。

タナゴ属 美しい雄の婚姻色

  • 以前は、原高野川や藤原川流域でみられたという情報がよせられている。現在の生息情報は内郷在住の方が藤間地区で採集したという1件だけ。
    カラス貝などの二枚貝の分布や分布の確かな北茨城を加味し推定分布図を作ってみた。
    いわき地方ではタナゴ、タイリクバラタナゴ、ゼニタナゴ、カネヒラなどの分布の可能性がある。

2008年6月 8日 (日)

「いわきの淡水魚」 永山茂雄 いわき地域学會 平成5年

「ふるさとの魚たち いわきの淡水魚」 永山茂雄 いわき地域学會 平成5年2月14日発行 頒価2000円 76ページ 大きさ210*200

 この本の良さは、なんといってもイラストにつきる。馬場ユキヲというイラストレーターが描いているが、その美しさは本物を凌駕している。

 著者は公務員であり、「いわき民報」に連載していたものをまとめたとの事。(あとがきより)

 発行年は古くはないが、地域出版物のためか古本界では殆ど見つからない一冊である。

構成

まえがき
目次
いわき市内の主要7河川
淡水魚の由来と分布
本文
参考文献
あとがき
奥付

まえがき

  •  川は元来生活に密着した物で、こどもの遊び場でもあった。ところが、昭和30年代後半あたりから水田に強力な除草剤が散布され、その毒性で川の魚が死んだりしたため、川に近づく人もいなくなった。

     そして30年を経過した今、清流こそ戻りましたが、改修工事により自然な流れはなくなってしまった。

     ところが、最近、水辺環境に対する関心が高まっている。これは、うるおいを持たせる空間として、取り戻そうとの気運の高まりの結果である。

     本書はいわき市内の河川や湖沼に生息する淡水魚を記載した。市内には約40種と言われているが、生息状況や分布はあまり知られていない。

     本書では筆者が見聞きしたり、友人、知人、市民の情報や文献を中心にまとめた。

いわき市内の主要7河川

  •  幹川と言われているのは、夏井川、鮫川、大久川、滑津川、神白川、藤原川、蛭田川の7河川である。
     特徴は阿武隈高地の大分水界の東側にあって、独立して太平洋に注いでいることである。

淡水魚の由来と分布

  •  生活型や渡来経路によってグループ別にしていく。前川光司・後藤晃共著「川の魚たちの歴史」を参考に分けてみた。(※分けは省略)

---メモ---
西暦1993年=平成5年
関連本

2008年6月 6日 (金)

「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 その7

 4,どじょう科、なmず科 15種(コリドラスが8種なので実質8種)

  • クリー・ローチ(クーリー)雌が大きく雄は小さい。粘土質土壌を用意すると、この中でもつれ合って産卵する。
     グラス・キャット・フィッシュは水草の下部に卵塊を産み付ける。発情して産卵が近づくと、えらのところが赤くなる。

 5,卵生目高科 12種

  • クリオピオプス・グッダイ(Chriopeops goodi?)フロリダ付近に産するメダカで、雄の背鰭としりびれが美しい青色です。5cm。

 6,アナバンティド科(アナバンテッド) 14種

  • タイワンキンギョはこの当時ですでに「現在ではほとんどその姿が見られないようです」と言っています。
    パラダイス・フィッシュは10度まで元気です。ホワイト・パラダイスは5度まで耐えられます。って本当かな。

    ベタは以前、赤い物をベタ・カンボジア、青い物をベタ・スプレンデンスと呼んでいたが、現在は同一種と見ている。

 7,シクリッド科 27種

  • シクラソーマ・カッテライ(Cichlasoma cutteri)ニグロファッシアタムに似ていますが、眼の色は青色です。体色はうす黒い感じでその中に濃い黒い縞が7~8本入っている。ホンジュラス産で8cm。

    アストロノータス・オセレイタスは1957年豊中市で数回繁殖に成功したと言われている。ディスカスは戦後一匹8~10万円の値が付いていた。

 8,その他の科 16種

  • ポリセントロプシス・アブレベィイタ(Polycentrupsis abbreviala)ションベルギーに似ているが、斑点がありません。背鰭の後半としりびれの後半が長くのび丸味があって面白い形になっている。

水草編
第1章 水草の効用
 屋外用と屋内用の水草を紹介

第2章 水草栽培の心得

  • 水草の特性
     陸上植物では根が広がる範囲が広いほど、枝張りもより旺盛な成長を示すが、水草では茎葉の広がりと根部の広がりは別である。
  • 取扱上の注意
    乾燥させない。
    芽部を保護し損傷させない。葉と茎は余り大事ではない。
  • 肥料
     屋外プールは油粕や魚粉が最も良いが、水槽では羊の乾燥糞を砂の下に薄く敷く方法が無難。また、10リットルに対し耳かき3~5杯分のハイポネックスを入れるのもいい方法です。
  • 繁殖法
    実生法、株分け、ランナーによる無性繁殖、挿芽法

第3章 屋外プール用水草
第4章 アクアリューム用の水草

  • 高価なものとしては、アマゾン・ソード・プラント、エキノドラス・ラジカンス、レモンソードプラント、クリプトコライン、アポノゲトン・ウンデュラータム、ラフールド(※ラッフルソードと思われる)、マダガスカル・レース・プラント

第5章 水草各論 35種 ここで各種の説明。イラスト有り。

  • レモンソードプラントはエキノドラスと同属だが、葉の形態がやや丸味をおびている。
     クリプトコラインはウイリッシー、グリフィッシ、コルダーター、ベケッティなどがある。繁殖だけを望むなら水苔で鉢植えとし、開花したら油粕と骨粉を3体1の割合で混ぜ、良く醗酵させた物を肥料として使う。

附録
魚・水草・器具の値段表(昭和32年10月調べ)
代表的なものを書いておきます。


胎生目高科 グッピー5~10円、ブラック・モーリー40~150円
卵生目高科 ライアテール300~1000円
闘魚科 パール・グラミー20~250円、ベタ・スプレンデンス25~500円

鯉科 チェリー・バルブ100~200円、ゼブラ・ダニオ35~50円
カラシン科 ヘッド・アンド・テール60~100円、サーペ100~200円
シクリッド科 ディスカス10000~15000円、エンゼル10~1000円
その他 クラウンローチ700~1200円、グラスキャット400~600円

水草
クリプトコライン・ベケッティ200円、ソードテール50円、スプライト5円

器具の部
容器 2*1*1(尺)=60*30*30cmで゙3000~500円
エヤーポンプ Z・P型(?)1セット3800円
フィルター A型1セット2500円

サーモスタット 内部調節式 800~2000円
ヒーター 40~80W 500~600円
網 中で250円

2008年6月 5日 (木)

「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 その6

第2章 繁殖の部
 最近の熱帯魚界はアマチュアの研究が盛んで、アストロノータス、ディスカス、マーブルハチェットなどの繁殖成功の報を受けている。

 第1節 雌雄の見分け方

  • 胎生魚、カラシン科、鯉科、ローチ・キャットフィッシュ、卵生目高科、アナバンティッド科、シクリッド科、その他の科について書かれている。
     その他の科で面白いのはグラスフィッシュについて、雄は内蔵の浮袋が長方形をしており、雌は浮袋の中央がへこんでいるとの事。

 第2節 採卵の準備

  • 容器
    濃い塩水を入念に洗っておく。最近では殺菌灯を使って消毒もしている。
  • 水と草
    水は煮沸し消毒殺菌をかね軟水にする。ハイポは使わない方がいいでしょう。
    草は水1ガロンにつき過マンガン酸カリを0.013gの割で溶かした溶液に2日間つけておけばいい。急ぐときは0.032gの溶液に15分間浸けて消毒する。
  • 胎生魚の水槽、沈水卵の水槽、附着卵種の水槽、浮水卵種の水槽につい記述

 第3節 発情の様子

  • 胎生魚の場合、卵性魚の場合

 第4節 自然繁殖

  • ソードテール2番を戸外の半坪の池に入れた例では、6~9月の終わりまでで、370匹になっていた。

 第5節 人工孵化
  一般に次の場合に行う。
  親の悪いせいで卵を食べる
  卵の受精率が悪く、是非殖やしたい
  卵が小さく水棲菌におかされかけた
  産卵後、水質が悪化した
  特にたくさんの子を必要とし親に次の産卵を早めさす

 第6節 繁殖各論

  • 胎生魚、沈水卵種、カラシン科・鯉科、付着卵種、浮水卵種についての記述

熱帯魚図説の部
 ここから各魚種の説明になります。写真はなくイラストです。
 多くの種が産卵についても説明してある。珍しい種や面白そうな説明だけ紹介しておきます。

 1,卵生目高科 8種

  • グッピーについてはソードテール、ダブル・ソードテール、ライヤテール、レイステール、ベェイルテール、ジャイオアント、ゴールデンを紹介。ジャイアントについては「他の種より一まわり体が大きい種」としか説明されていない。

 2,カラシン科 35種

  • プリステラは英国ではXレイテトラと呼んでいる。
    ヘテロラブダス、ネオン、レモンはまだ繁殖に成功していない。
    サーペは生息場所からマットグロッソーと呼んでいた。
    レッドノーズは高級品。フェザーフィン(Hemigrammus unilineatus)が載っています。ナノストマス系は繁殖困難と説明されている。
    プラチナ・テトラ(Gephyrocharax atracaudatus)なる魚が最後に紹介されている。

 3,鯉科 36種

  • R・ドルシオセレイタ、R・パウシパパフォレイタ、R・マキュラタ
    ガーネット(Aphyocyprinus SP)は輸入された当時R・バンコックと言われた。黄色がかった体色に、光線の様子で金色に光る条線がある。産地バンコック、4cm。なんでしょうか?。

    B・ビノティータス、B・クオラ(Barbus chola)ビノティータスより小型で体全体が黒っぽい。鮒に似ていて尾の部分にスポット模様がある。インド産12cm。

    B・ゲリュース、B・ティリオ(Barbus terio)尾柄の所に小さい黒斑とその前方にやや大きい黒点があり、共にその斑のまわりは金色にかこまれている。インド産6cm。

    ドワーフ・バルブ(Barbus phutunio)体側に所々黒点が3~4カ所有り、極小型の魚。インド産3cm。

    エソーマス(Esomus malayensis)フライング・バルブの事。エソーマス・ダンリカス(Esomus danricus)口にある2対のヒゲのうち1対が長く、体に沿って黒い栓がある。インド・ビルマ産10cm。

2008年6月 4日 (水)

「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 その5

 第7節 戸外での飼育

  • 池(プール)
     広いほどいいが、秋に水を落として魚を水槽に戻す関係で、深さは3段階がいい。
     最深部は傾斜を付け、魚寄せよして洗面器ぐらいの穴を作る。 北側にエサ場を設ける。
     コンクリートは3寸は必要で、コンクリートの下には赤土に石炭を入れ、たたきとする。
     コンクリートは強アルカリなので、夏は1ヶ月、冬は2ヶ月間ワラを入れて灰汁を抜く。急ぐ場合は18リットルに対して、2.8gの燐酸を入れ48時間放置後、水換えする。
  • 水と草
     常に池の底が見えるようにするには、毎日少量の水換えをする。噴水による新水は2割程度にする。
     水草の植え込みは鉢植えとして沈める。一番浅いところには、挺水性のコウホネ、クワイ、フトイ、シペラス、エキノドルスが良く、その間にハイグロフィラ、ルドウィジア、ペニーワートを植える。次の深さの北側には沈水性のサジタリア、バリスネリア、カボンバ、アナカリスなどとする。最深部はスイレンがいい。
  • 飼育管理
    池で飼育して丈夫な魚はグーラミ類、シクリッド科の魚、パラダイスフィッシュ、ベタ。
    池では弱く特別な成長がめだやないものはカラシン科の魚で失敗しやすい。

 第8節 学校水族館

  • 自然に親しみ、豊淳な心情、生物を愛育する心を培い、科学的思考力と、勤労を喜ぶ国民に導く教育としてまことに好ましい。

 第9節 標本作製法 ※飼育本には珍しく良く書いてあります。

  • 魚拓法
     眼の回りやヒレの所の水分は良くとり、墨は体の上半分は濃くする。和紙は新聞に霧吹くしその間に入れて少し湿らせてから指で刷る。
  • 乾燥法
     体表のゼラチン質を洗い落とし、50%のホルマリンに数時間浸けてから、水洗い後乾燥させる。
  • 液漬標本法
     歯ブラシを使ってゼラチン質を良く取り除き、アルコールは70%、ホルマリンは80%のものに10日間浸けておく。保存液はアルコールハ80%、ホルマリンは10%ぐらいにする。
     栓をしっかりし、パラフィンで封じ、ビニールをかぶせ、しばっておく。
  • 透明液浸標本法
     小魚の骨格など、体のを透かしてみる標本である。
     魚体のウロコをとり、皮をむく。剥いた魚を苛性ソーダと苛性カリを主体に作った第一液に10分浸ける。次にグリセリン、ホルマリンを主体に作った第二液に数日間浸けておく。そうすると透明度が増し、腐敗しなくなるので、ホルマリン15、グリセリン10、水100の永久保存液に入れる。
  • プラスチック封入標本
    ポリエステル樹脂による標本。
     水分が多いと乳濁するので、よく取り除く。体内細胞を固定するためホルマリン10%液で固定する。固定後砂糖漬(水100ccに砂糖80g)にし、沈んだら半乾燥にする。ガラス容器に入れ樹脂を入れる。
  • セットは市販されている。(※当時のことです)
     魚の透明液 第一液500cc、第二液500ccで900円 日本生物研究所
     封入標本製作セット ポリエステル樹脂500g、触媒薬10g、促進剤10g、離型剤5g、スチロール15cc、紙コップ2個、スポイト1本で750円 藤戸理化学商会

2008年6月 3日 (火)

「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 その4

 第4節 保温

  • サーモスタットとヒーターの使い方
    水槽の大きさとヒーターのワット数の関係が表になって載せてある。
  • 保温箱
     ひよこ電球だけの保温ケースは温度管理が大変なので、ケース内にサーモスタットを納めると理想的な管理が出来る。
  • 温室
    排水の良いところ、通風良く設計する、水や電気の便利なところ
  • 温室の暖房方法
     電気 赤外線電球(動物園で使っている放熱電球)の500ワットで室温20度を保つためには、坪当たり1燈が必要。5坪で1日あたり700円かかる。

     ガス 電気と同じぐらい費用がかかり、完全燃焼しないときに害がある。

     石油・重油 補給を忘れてはならない。燃焼装置の安全な物が少ない。

     練炭 一般に使用者が多い。費用も安くてすむが、ガス漏れに注意する。

     電気料金表(使用量1~82KWHまで)、小型温室暖房燃料の長短表(燃料の型別、品名、暖房方法、価格の高低、取扱上の良否、室内の環境、備考→使い勝手・欠点等)

 第5節 餌

  • 粉餌
    粉餌を自作する場合の配合例
         魚粉     37.5g  煮干し粉かカツオ節の粉
         エビ粉    37.5g  釣り道具店にある
         レバー    37.5g  豚より牛の肝臓がよい
         ホーレン草 18.8g  チシャ(レタス)でもよい
         卵       1個
         メリケン粉 112.5g

     以上を一緒にしてすりつぶし乾燥させる。焼いて乾かしてもいい。完全に乾燥させた物を、コーヒーひきかうすで粉にしふるって大中小にわける。大きい粒は米粒大、中は仁丹の粒ぐらい、小は少し小さいぐらい、粉は稚魚の与える。

    ワカモト、エビオスなどのビタミン剤を加えることも研究されている。
  • 生き餌
     イトミミズ、ミジンコ、ボーフラ、赤ボーフラ、ミミズ、ブラインシュリンプ、ホワイト・ウォーム(ミクロウォーム)、インフゾリヤ、植物性プランクトンについて採取法、保存法、培養法等が詳細に解説されている。
  • 餌の与え方
    飼育上手と言われている人は、餌を上手に与える人のこと。

 第6節 容器の掃除

  • 水の調整
    グリーンウォーター
     植物性プランクトンの繁殖が原因。魚の数、光線、水草のバランスがとれていない。ミジンコを入れると1週間で透明になる。過マンガン酸カリを1ガロンあたり0.008gで溶かしてもいいが、水換えした方がいいでしょう。

    水の白濁
     光線が弱く、底にゴミが溜まっているときにバクテリアが繁殖している。水を取り替えた方がいい。フィルターやエアーレイションも効果がある。筆者は医療器具のイルリガールに活性炭やガラスウールを入れ使用している。

    水温の変化
     停電等で水温が下がりすぎた場合は、28度ぐらいにし、2~3日で常温に戻す。

    水面の被覆
     練炭ストーブや石炭を燃やしている温室では、水面に銀色の膜が張るので、水面に紙をのせ吸い取る。

    魚のフンと苔
     ゴミはディップチューブやビニールホースで取り除く。苔は観察する側の1面でけでもいい。
  • 貝類
     貝の飼育が苔を食べさせるのが目的ならば、新芽を食べてしまうので止めた方がいい。
     美しいレッド・ラムション・スネイルなどは、これだけを別に飼育しても十分鑑賞価値がある。
  • 魚の害敵と除去
     ゲンゴロウの幼虫は卵や幼虫でミジンコ、イトミミズと共に入る。見つけ次第取り除く。トンボの幼虫も同じ経路で入ってきます。

     ヒドラは水温55度ぐらいにすると死滅する。ブルーグラミーやコリドラスを入れると3日ぐらいできれいに食べてくれる。薬品の場合は硝酸アンモニアを1リットルの水に90mgの割合で入れ、水温を30度にする。

    チョウ(魚ジラミ) 1リットルの水に対し0.005gの過マンガン酸カリを溶かして水槽に入れると、割に簡単に死滅する。

    イカリ虫 ピンセットで取り除く。
  • 病気の予防と治療
     白点病、尾グサレ病、マウス・ファンガス病、ドロプシィ(松カサ病)、フリュークス(ギロダクチラスやダクチロギラスの寄生による)、ウェルヴェット(ベルベット、コショウ病)、シムミース(魚の風邪)。以上についての原因と治療法が述べられている。

2008年6月 2日 (月)

「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 その3

 第2節 水と砂

  • どんな水がよいか
     水質は魚の種類によって変えなければならないが、我々にはそれが出来ないので魚に害のない水を作り使う。
     ハイポは使用するにあたって煩わしさがない。最近はエントールと言う塩素濾過消却器も販売されている。

    塩素が含まれているかは、試験液により測定するが次の方法で作れる。
     蒸留水400cm3用意し、別に200cm3の濃塩酸オートトリジン1gをよく溶かした液を作って、前の蒸留水に混ぜ、更に濃塩酸を200cm3を加えて、十分溶解したところへ、蒸留水を加えて全量が1リットルになるようにする。

     井戸水は硬水なので煮沸により軟水にする。ただし酸素がなくなるのでエアーにより補給する。またアルカリ性の水は酸性燐酸ソーダにより酸性の水は重炭酸ソーダにより中和させ中性にする。
  • エアーレイションについて
     最初のフラスコにメチレンブルーを入れ殺菌し、次のフラスコにフェノールフタレインを入れ炭酸ガスを吸収させてから水槽に送る。
  • 砂はどんなのが良いか
     大磯なら申し分ない。粒の大きさは1分(3mm)~2分(6mm)がいい。繁殖に使うなら30分煮沸消毒する。
     砂を使う場合は1日水につけておいて洗うと、比較的早く洗える。
     厚さは前部1寸(3cm)後部をその倍にするのが普通です。

 第3節 水草と光線

  • 青々と茂った水草に見え隠れする魚を見てこそ、飼育趣味の良さがある。
     バランスト・アクアリューム 水草の同化作用と魚の呼吸作用の生理作用が互いに助け合ってバランスをとる。

    水槽の大きさと魚の数の関係一覧表が載せてある。(※寸=3cm、尺=30cm計算)

             幅  高 奥行 小型    中型  大型
 1号(ガラスバット) 1.2尺*8寸*8寸  10      4     0
 2号(   〃    ) 1.3  1尺  8   10~15   4    
 3号          1.3  1  1   15~20    5     2
 4号          1.5  1  8寸   20      5     2
 5号          1.5  1  1     30   10~15  3~4
 6号          2   1  1     50     20     4
 7号          2   1.2 1.2   50~100 20~30   6
 8号          3   1.5 1.5  150~200  50    10
 9号          3   2  1.5   200     50   10
10号          4    2  2    300    100   15

  • 実用的な水草
     一般的にはバリスネリヤ(セキショウ)、サジタリヤ、ハイグロフィラ、ルドウィジャである。アナカリスやカボンバもいいが水温が25度以上になると下葉から枯れていく。
  • 観賞用の水草
     マダガスカル・レース・プラントは鑑賞価値十分で高価だが、2~3年で必ず枯らす人が多い。筆者は特殊栽培で樽で栽培している。大型水槽にはなんと言ってもアマゾン・ソード・プラントが良く、葉の幅が3寸(10cm)、葉の長さ2尺(60cm)、葉数50枚近くなる。
     クリプトコラインも水質がいいとよく繁茂する。水草については専門に研究されている藤本義昭に書いていただく
  • プール用水草
     戸外に向くものといして、浮水種と挺水種がある。リシヤ、ボタンウキクサ(ウォーターレタス)、ホテイ草(ウォーターヒヤシンス)。ウォータースプライトとウォーターファンなども、水深2~3寸で植えておくと元気に育つ。
  • 水槽の大きさと光量
     我々は趣味が魚の飼育であって、栽培困難なレース・プラントを苦労して育てるよりは、元気な水草を使って魚の研究をするべきでしょう。

     蛍光灯は一般的に白色光、天然白色光、昼光色を使用している。自然光線の場合は鏡を使って反射し上部からの光線に変える。

     人工光線の基準表が載せてある。
       1~3号 10ワット 1
       4~5号 10     2
       6~7号 20     1
       8~9号 20     2
        10 号 40     2

「熱帯魚の飼い方」 藤岡 昇、藤本義昭 その2

第1章 飼育の部

  • 第1節 用具の準備
     水槽
       金魚鉢、ガラスバット、鉄枠水槽、コンクリート水槽
      最近は高価だがステンレス枠のものもある。

     水温計
      大型水槽となると、水面と水底の温度差が相当開くので、この場合上部と下部に二本の水温計を使用する。

    餌入れ
     イトミミズ入れにはガラス製もあったとのこと。イラストに面白い粉餌用の餌入れがある。これには餌拡散防止の下に、落ちた粉餌用の受けがある。

    ガラス面掃除器
     柄の先に安全剃刀が装着できる用になっている。

    エヤーポンプ ダイヤフラム式とピストン式がある。

    フィルター 市販品には2~3種ある。

    ディップチューブ
     これはスポイトの中にウールが入っていて(胴が太い)、2枚の弁でスポイト内に入った水が濾過され水槽内に入る仕組みである。良い水を捨てない事らしい。

    保温器
     戦後の熱帯魚飼育が盛んになった原因は、サーモスタットが誰にでも入手できるようになり、安価で良品が市販されたことが第一だと言われている。

    その他の器具 ピンセット、径が1cmぐらいのビニールホース

    自作できる器具
     温度計は200~300円と高価な物だから、浴用温度計に目盛りを付け、消えないようにビニールパイプをかぶせる。(因みにこの本が280円)

    ピンセットは竹で作る。

    水槽(簡易飼育槽)
     5分板を削って内面をサンドペーパーでよく磨く。水深は1尺までとしガラスを前面に取り付けその内にビニールを水圧で張り付ける。これで3年間位はもつ


     トリコット織りのストッキングを使う。イラストによると下になる部分をギザギザに切り縛る。ブライン用にはモミと呼んでいる絹を使う。

    サーモスタット
     自作は難しいのでコタツののを取り出して利用する。

    ヒーター
     ニクロム線は必要なワット数を電気店に頼んで巻いてもらい、これがガラス管に当たらないよう碍管(がいかん)に入れ砂を詰める。両端にゴム栓をしビニールパイプを暖めてはめる。

    エヤーポンプ
     100ワット交流用モーター(電蓄用フォノモーターでも可)と模型玩具の蒸気ピストンの双頭1個を用意する。モーターでピストンの動輪をまわし空気を圧縮する。

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