「熱帯魚の飼育と鑑賞」 吉津良恭 その14
第8章 魚類の寄生虫と害敵のページ
- 第1節 個々の害敵と防除法
リーチェズ Leeches ※ヒル
蛭は大きな水槽等では1匹あて捕殺するのは大変であるから、塩水で洗うか或いは氷を入れて一時冷水とする。
ヒルが著しく発生して魚を害することの最も甚だしい時期は6月と8月だと言われている。
フィッシュ・ライス Fish Licc
てふ(魚虱、※魚ジラミ)と Argulus jhoponibus と称し、一種の甲殻類に属す。
テレビン油と石油の同量の混合液を虫に塗りつけると直ちに落下する。治療後は十分清水で流す。
スレッド・パラサイト Thread Parasite
ラーニン(Lernean)と称せられる多くの種類を有する寄生虫で、イカリムシという和名で通っている。
治療には適切な方法はないが、被害魚を発見次第犠牲に供するか、或いは清水5リットルに塩素石灰の茶匙1杯量を落とした薬液で消毒するのが良策である。この溶液は全ての生物を殺すものだけに、消毒後は十分薬液を洗い落とす。
イクシオフシリアス Ichthyophthirius
我が国では白点病と呼ばれているが、西洋ではペッパー・アンド・サルト・ファンガス(Pepper and Salt Fungus)と言う。
水銀クロームの2%溶液の4滴を清水4リットルに注加するのが最も効果的である。この濃度は水草にも無害であるから、タンクに直接注加しても問題ない。また、この溶液による水浴の場合は2~3回でいいが、水温を25度以上にする。
石油もこの寄生虫には有効なもので、軟らかいフランネル等に石油を浸し、患部を拭く方法である。その後は清水で油気を十分洗い流す。また、石油の代用として、水4にアルコール1の溶液に数回浸すことも卓効を認められる。
フリュークス Flukes
ギロダクティラス・エレガンス(Gyrodactylus elegans)と言う吸虫の寄生による。我が国では鰓病又はギロダクティラス病とも呼ばれる。
清水1リットルに対し蟻酸アルデヒード4~5滴を加えた溶液中に魚を放ち、以後1分間に1滴を加えつつ10滴にいたって止める。魚の苦悩を訴えない限り10分位治療してから移す。これを2~3回繰り返す。
概して寄生虫による場合は、氷酢酸の微量(水の490割に対して氷酢酸の1割)の溶液に20秒間浸して有効なるものとされている。
害敵の主なる物
ミズカマキリ、タガメ、コオイムシ、ゲンゴロウ、ガムシ
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